マツダ、ブランド堅持へ我慢の経営 20年3月期を下方修正

©株式会社中国新聞社

東京都内での記者会見で質問に答える藤原副社長(左)

 2020年3月期の連結営業利益を半分近くに下方修正したマツダ。重要市場の米国や中国で販売が厳しく、世界販売の見通しも引き下げた。世界経済の減速や円高の逆風が吹くものの、値引きを抑えてブランド価値を高める方針を貫く。我慢の経営が続きそうだ。

 「よく頑張っているが、負けは負けなので挽回しないといけない。しかし販売の質は落としたくない」。東京都内で記者会見した藤原清志副社長は、あくまで値引きを抑えてブランドを磨く姿勢を強調した。

 米国の通期の販売見通しは、当初の32万4千台から2万3千台(7%)減らした。セダン系の市場が落ち込み、新世代商品群の第1弾のマツダ3は量販価格帯で苦戦。装備を充実させるなどしててこ入れするほか、新型スポーツタイプ多目的車(SUV)のCX―30を投入する。

 中国も26万5千台から1万台(4%)減る。梅下隆一執行役員は「大変厳しく、不透明な状況が続いている」と分析。9月に投入したマツダ3と、11月に改良するSUVのCX―4で反転攻勢を図る。

 販売台数の低迷は市場の縮小とともに値引きの抑制が響いている。一方、販売費用の抑制と単価の改善は20年3月期の営業利益を477億円押し上げる。広島市中区の会見で前田真二財務本部長は「台数は落ちても販売の質の改善は大きく進んでいる」と手応えを示す。

 マツダは利益重視の方針をさらに強める。この日は24年度まで6年間の中期経営計画も公表。車体が大きくて価格が高い「ラージ商品群」の比率を22年度から徐々に高めることを明らかにした。5月の中期経営方針で示した世界販売180万台の目標は維持した。

 世界販売の減少にどう歯止めをかけ、目標を達成するのか。藤原副社長はこう答えた。「販売の質の向上を続けること。抜群の商品力と求めやすい価格での提供も必要で、これを長く続けることが唯一の解決策だ。特効薬はない」