誓い「平和 守り続ける」 山里小で祈念式

「あの子らの碑」に献水する児童=長崎市立山里小

 長崎原爆で約1300人の児童や職員らが犠牲になった長崎市橋口町の市立山里小(吉本研二校長、689人)で1日、平和祈念式があり、児童らが同校ゆかりの被爆医師、故永井隆博士の遺志を受け継ぐことを誓い、世界平和を祈った。
 同校では、原爆で犠牲になった児童らを慰霊する「あの子らの碑」が永井博士の発案で1949年に建立された。平和祈念式は、碑の除幕式があった同年11月3日にちなみ毎年この時期に開かれ、70回目。
 児童代表らが碑に献水や献花をした後、被爆者で同校卒業生の榊安彦さん(82)が自身の被爆体験を講話。「戦争の悲惨さ、愚かさを胸にしまい、皆さんの次の世代に伝えていってほしい」と呼び掛けた。
 児童らは永井博士が作詞した「あの子」を合唱し、「この手でしっかりと平和を守り続けることを誓います」と宣言。式後、児童代表で作文を読み上げた6年の楠本優羽さん(12)は「誰にも差別せず、思いやりを持つことで平和をつくっていきたい」と話した。

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