釜山-対馬航路 開設から20年 利用者500万人突破 最短50キロ生かし経済効果

対馬-釜山航路で対馬を訪れた韓国人客数

 長崎県対馬市は1日、20年前に開設された韓国・釜山-対馬の海上航路の往復の利用者が先月30日、累計500万人を超えたと明らかにした。比田勝尚喜市長は「対馬はこの20年間、韓国に近い地理条件を生かして経済効果を呼び込んできた。航路を維持してきた船会社などに感謝を伝えるため、11月下旬にも釜山を訪問したい」と述べた。
 同市などによると、釜山-対馬間は最短約50キロ。この近さを生かし、合併前の旧厳原町が韓国・浦項(ポハン)市の大亜高速海運に働き掛け1999年7月、釜山港-厳原港間で高速旅客船が不定期運航したのが始まり。
 初年は比田勝に臨時寄港した船便も合わせて入国者数は2259人(うち韓国人2017人)にとどまっていたが、翌2000年に定期運航となり8759人(同7551人)に増加。11年の東日本大震災で一時落ち込んだが、その後、日本の船会社も含めた定期運航が3社となってから右肩上がりに利用者が増え、日韓の6社運航となった18年には入国者数が過去最多の41万5375人(同41万309人)に達した。
 今年も上半期は月平均7万4千人が同航路を使って出入国し、6月末時点で累計利用者数は約493万人に上っていた。しかし、7月からは日本の対韓輸出管理の強化や、韓国での日本製品不買運動などが影響して利用者は減り、当初は今夏とみられていた500万人到達が遅れていた。
 対馬市観光交流商工部によると、11月下旬の釜山訪問では、韓国の船会社や旅行代理店関係者を招いたレセプションを開催する予定。

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