ラグビー代表・坂手「もう気持ちは次に」 W杯優勝は「希望も込めて南ア」 

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「W杯ではたくさんの声援に背中を押された。ラグビーの盛り上がりを終わらせたくない」と今後の抱負を語る坂手(京都成章高)

 ラグビーのワールドカップ(W杯)で日本初のベスト8入りに貢献したフッカー坂手淳史(パナソニック、京都成章高-帝京大出)が30日、高校時代を過ごした母校で京都新聞のインタビューに応じた。初出場のW杯を振り返り、印象に残った試合や4年後への意欲を語った。

 -1次リーグと準々決勝の計4試合に出場した。ロシアとの開幕戦はチームに硬さが目立った。
 「4トライしてボーナスポイントを取らないといけないと思ったのが硬さにつながった。相手に1トライを許して緊張がほぐれたと思う。勝てばいいとシンプルな考えに変わった。フミさん(田中史朗=キヤノン、伏見工高―京産大出)らW杯の経験者は『1試合目は絶対に緊張するから』と言っていた。緊張は隠さず、みんなで共有すれば大丈夫だとも。何とか乗り越えられた」
 「僕自身は大会を通じて、リラックスして試合に臨めた。試合前はめちゃくちゃ緊張していたが、試合に入ったら冷静でいられた。そのための準備は思いっきりやったので、不安は感じなかった」
 -1次リーグで印象深い試合は。
 「一番厳しかったのは(最終4戦目の)スコットランド戦。リードしてから2本トライを取られて7点差に詰められた。あの時間帯のディフェンスは難しかった。同点でも準々決勝に進める状況だったが、それは絶対に嫌だった。力也(松田=パナソニック、伏見工高―帝京大出)と一緒に『タックル行くぞ』と。熱くなるところで熱くなることができた。勝った瞬間はよくわからない感情になった」
 -日本のスクラムに大きな注目が集まった。こだわりは。
 「宮崎合宿からやりこんできた。毎晩。一人一人の膝の角度や足、肩の位置など1センチ、1ミリまでこだわってきた。それを言い続けたコーチの長谷川慎さん(東山高-中大出)の力が素晴らしい。魂を込めてやっていた。スクラムで相手チームの映像は100個ぐらいあったと思う。慎さんのコメント付きで、対戦するプロップの全選手の映像を僕らにくれた。そういう努力を惜しまない人」
 -「ワンチーム」を掲げ、外国人選手や控え選手とも一体感が強かった。
 「(オフは)僕はガッキーさん(稲垣啓太)によく連れ出してもらった。スクラムリーダーとしての苦労も伝わってきたし、試合に出られない選手への気配りもあった。本当にワンチームだった」
 -準々決勝で敗れた南アフリカ戦で感じたことは。
 「コンタクトやフィジカルだけじゃなく、全て強かった。日本の反則からPGで得点を重ねられたのは、スクラムを崩されたことが要因の一つ。相手のラインアウトも世界トップクラスだった」
 -ことしで26歳。4年後への決意は。
 「もう気持ちは次に向いている。トップリーグでも次のW杯に向けて自分のパフォーマンスを上げないといけない。また代表に選ばれるには今のままでは駄目。もう一つレベルを上げないと、ベスト4やその上は難しい」
 -11月2日に決勝が行われる。予想は。
 「イングランドのディフェンスは驚異。(準決勝で)オールブラックス(ニュージーランド)が何もできないとは想像できなかった。南アも前に出てくるディフェンスで、日本は苦しめられた。勝利は希望も込めて南ア。イングランドもすごく強いので、ロースコアになると思う」