近藤が絶好調、不安は坂本&松田 侍J野手のカナダ戦2試合を振り返る

カナダとの2戦で4安打と存在感を放った侍ジャパンの日本ハム・近藤健介【写真:Getty Images】

投手陣は2回6失点だった山口を除いて無失点投球

 野球日本代表「侍ジャパン」は、11月2日(日本時間3日)に開幕する「第2回 WBSCプレミア12」(テレビ朝日系列で放送)に向けて、オープニングラウンド・グループBが行われる台湾へと移動した。本番に向けて宮崎、沖縄で合宿を行い、10月31日と11月1日には強化試合として「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019」で、グループCに入るカナダ代表と2試合を戦った。

 本番までの試金石となるカナダとの2試合。初戦は先発の山口俊投手が2回に6失点したことが響き、追い上げも及ばずに5-6で敗戦。第2戦は打線が四球から作ったチャンスから3点を奪うと、投手陣は先発の今永ら5投手で完封リレー。3-0で勝利し、2試合を1勝1敗で終えた。

 オープニングラウンド3試合、スーパーラウンド3試合、そしてファイナルと最大でも7試合の短期決戦の舞台。チームの勝敗を左右することになるのは、いかに選手個々がいい状態で戦えるか。調子を上向かせた状態で本番を迎えたところだ。

 そこで、カナダ戦2試合の打線のそれぞれの成績を改めて振り返り、選手たちの状態を推し量ってみたい。

【打者成績】
・山田哲人
5打数1安打1打点0三振1四死球 .200

・坂本勇人
7打数0安打1打点4三振0四死球 .000

・近藤健介
8打数4安打3打点0三振1四死球 .500

・鈴木誠也
7打数2安打0打点1三振1四死球 .286

・吉田正尚
7打数1安打1打点0三振2四死球 .143

・浅村栄斗
6打数1安打1打点0三振1四死球 .167

・外崎修汰
5打数2安打0打点1三振2四死球 .400

・松田宣浩
8打数1安打0打点2三振1四死球 .125

・菊池涼介
6打数1安打0打点0三振0四死球 .167

・小林誠司
1打数0安打0打点0三振0四死球 .000

・會澤翼
4打数1安打0打点1三振0四死球 .250

・甲斐拓也
0打数0安打0打点0三振2四死球 -

・源田壮亮
2打数1安打0打点0三振0四死球 .500

・周東佑京
1打数0安打0打点0三振0四死球 .000

 状態の良さを感じさせているのは近藤だ。チームでただ1人、2試合ともにヒットを放っており、2試合ともに打点を挙げている。現時点ではチームの重要な得点源となりそう。近藤を打線のどこに置くかが、得点力アップの鍵になるだろう。源田は2戦目の途中からしか出場していないものの、いきなり安打を放っている。

 一方で本調子ではないのは坂本だろう。第1戦は3番、第2戦は2番に入るもノーヒット。しかも4三振を喫している。2試合ともにスタメンで出場して、ノーヒットなのは坂本1人だ。松田も8打席に立って1安打と、あまり打撃の内容は良くない。

 投手陣は山口こそ不安を残す内容となったものの、そのほかの11投手は全員が無失点。結果、大会球への適応が進んでいることを伺わせた。稲葉篤紀監督は「長打を含めてたくさん打って点を取るのは難しい。1点の取り方をミーティングをしてコツコツとやっていきたい」と語る。

 投手力を全面に押し出し、少ない得点で守り抜く展開が“稲葉ジャパンの野球“。2日に台湾入りした侍ジャパンの面々。秋山翔吾外野手が骨折で離脱となり、追加招集の丸佳浩外野手は台湾からチームに合流する。初戦のベネズエラ戦までに残された3日で、チームの状態をどこまで上げていくことができるだろうか。(Full-Count編集部)

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