第16回「夜だけど珈琲飲ませて。2019年は秋の大問題目白押しは大問題ーー」

上野のクラウンの内装が変わっていた。

令和の即位で恩赦を出すという。となればピエール瀧の復権を〜!清原もASKAさんもDO.もノリピーもついでに自分も、平成に起きたドラッグ事件はぜーんぶ無かったことにして、あらゆる自粛系作品のリリースを〜!

ということでーー ちょうど今、病院へ毎週送ってるメールを書いてたとこで。

成宮アイコさんと朗読会をやった

中山さま

即位の日に動画を見まくっていたら、Wi-Fiのギガを使い切ってしまいました。予告もなしに火曜日の朝から、通信制限。まだ今月は10日もあるのに!不便極まりない。

プラスして、火曜日の朝にノートパソコンが起動しなくなりました。2つの不都合な出来事に関連はないのですが、似たようなことでもあり、混乱してパニックにーーなりそうでしたが、ぎりぎり持ちこたえ、やるべきことの順番を考えてアプリに書き出し、対応策を考えました。

郵送物が受け取れない。

①とにかく冷静になる。

②フリーWiFiが使える場所を書き出す。

③原稿を入れるのが1週間程度遅れると、各先方へ連絡をする。

③パソコンの保証期限がギリギリな気がするので、電話して買った店舗へすぐにもって行く(今はシリアルナンバーで管理されているので、保証書は必要ない)。

サポートセンターへの電話が20秒10円と高過ぎたので、ガイダンスで諦めて、その日のうちに秋葉原の店舗へ持っていくと、保証期限が切れる前日ということで、セーフ! 修理が無料ですみました。

お薬お姉さん、として知られる佐倉雅さん@阿佐ヶ谷ロフト

明日でいいか、と1日放っておいたら1万4千円かかるところでした。「面倒くさがらずにすぐやることが大切だ」と、この件でもつくづく感じました。

注意障害は、想定外の出来事が起きると→混乱して、→やるべきことの順番がわからなくなって、→忘れてしまうので、①冷静になる。②順番を考えて書き出す。③それに従ってすぐやる!ことが大切だ。今回はやれた。良かった。

1年間のリハビリの蓄積の成果が出てきたように思います。

@病ダレアイドル、小島ふかせさんと。

パソコンが壊れたのは、それ自体は良くない偶発的な出来事だけれども、今回の騒動は、自分の中では「パニクらずに処理できた」という成功体験です。

昨日の夜「修理が終わって郵送した」というメールが来ていたので、明日には手元に届くかなーー。

そう言えば最近は、初対面の人は誰も、自分の高次脳には気付きません。こないだも飲み会で、3,500円の会費でビールを飲みまくってやりました。

来週は病院はありません。

阿佐ヶ谷ロフトAで@病ダレアイドルイベント

ーー今は木曜日の深夜で、25時55分で、つまり夜が明けたら送るのだが、自分は脳卒中で退院してから毎週金曜の朝に、その週の報告メールを病院の担当セラピストへ、リハビリ課題として送っている。

日常のどんな場面で、どういう失敗をして、どういう対応をしたか、どういう対応が必要と思ったか……とかを書き出して繰り返し反復することで、今後必要な対応法を高次脳にすり込むーーみたいな。うう、疲れた。

リハビリというと、大概の人は、膝を伸ばしたり腕を動かしたりと、理学療法的なものを想像するのだが、身体機能を回復させるだけじゃなくて、こうした訓練もあるのだね。

来年の蘇民祭

そういう日常を送りながら、先週は豊島区雑司ヶ谷へ「お会式」という、本当は宗教行事なのだが実際は地元のお祭りに数年ぶりに参加してきた、というのも自分の日常で。「お会式」といのは、万灯という桜の花を模した大きな灯火を打ち振りながら、太鼓を叩きながら、町を大勢で練り歩くという夜祭りなんだけれど、この「お会式」を普通の人は意外に知らない。

うちの子供もそうで、わたくしが脱法ドラッグで入院して、親子して引越しを余儀なくされるという、あってはならない事件を起こすまでの0歳から6歳までずっと参加してたのに、13歳の今週、数年ぶりに出てみたら全然わかってなくてやんなっちゃった。

子供とお会式に行った

【父と子のお会式解説】

「鉦という打楽器に合わせて太鼓を叩くと、気持ちが良いだろう」

「うん」

「見ろ、皆が踊り出している。お酒も飲まないのに、半狂乱になっている」

「うん」

「この状態をトランス状態というんだ」

「トランス状態……」

「鉦の反響音が凄いだろう」

「うん。耳がキンキンする」

「耳どころじゃないぞ。鼓膜を透過して、脳に超音波が直接刺さっている」

「え!」

「日蓮宗の秘法なんだ。日蓮宗はこうやって700年以上勢力を拡大させてきた。宗教って凄いだろう」

「凄い」

「トランス状態は気持ちがいいか?」

「気持ちがいい」

「じつはな……トランス状態はLSDに似ている」

「エ、エル・エス・ディ……?」

「しーっ!声が大きい。ドラッグの一種だ。人々が年に3夜、「お会式」の夜にだけ、鉦や太鼓の音、万灯の光線で脳内のLSD的なトランス状態を楽しむ。それが「お会式」だ」

こういう解説でよかったのだろうか。

「お会式」の夜一寸先に涅槃在り

アラビアガムという添加物が入ったワインが美味しいことに気がついた。

☆☆☆

台風の翌朝。多摩川の迫力に圧倒された。

秋はアンニュイだ。死んだ友人の誕生日が、いまだにFacebookから送られてくる。ワールドカップのラグビーはあんなに凄いのに、でも歓声を上げている大勢の中でイマイチ心から乗り切れない。

汗の似合うナイスガイたちが、本当か嘘かわからないが、断然本当なんだろうけれど、「すべてはチームのために!」とかって肩組んでぶつかり合ってる姿を、実はぜんぜん心が受け付けない。

台風が来るのにうきうきして、つい口にしたら見知らぬ人に糾弾されて、今度からは台風への期待感は心の中だけで言葉にしようと思った。

秋の深夜にリハビリメールを書いている。朝になったら送信しよう。シューマイの最後の一個を掴み損ね、無残にも落っことし、このような時ほど、この痺れた役立たずの不具な右掌を恨むことはない。ああ、無くした障害者手帳は結局出てこないし。泣ける。

夜だけど珈琲飲ませて……。

野球場があった河原。

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