熱狂、普及につなげ ラグビーW杯閉幕 「子の憧れに」

子どもたちも観客席で楽しんだラグビーのワールドカップ決勝=日産スタジアム

 1カ月半にわたって日本中を沸かせたラグビーのワールドカップ(W杯)は、2日に日産スタジアムで行われたイングランド-南アフリカの決勝で幕を閉じた。大会期間中、同スタジアムでは計6試合が行われ、約40万人の観衆を集めた。スタンドには親子連れの姿も目立ち、ジュニア世代の普及に携わってきた県ラグビー協会の角田誠さん(56)=川崎市=は「4年前に比べて圧倒的な盛り上がりを感じる」と競技熱の高まりを実感している。

 50年の歴史がある横浜ラグビースクール(RS)では、小学校低学年以下を対象に行っている毎週末の練習体験者が急増。開幕前は1、2人だったが、現在は毎回20人前後の児童が参加する。日本代表の赤白ジャージーを着用する子どもも多く、副校長を務める角田さんは「今回は地元開催ということもあるし、8強入りした日本代表を子どもたちが憧れの存在として身近に感じているからではないか」と見ている。

 4年前も一時はブームになったが受け入れ態勢が追い付かず、競技人口の増加につなげられなかった。その反省を生かし、県内スクールでは昨春から指導者資格を持つコーチを増員したり、安全講習の回数を増やしたりして、受け皿づくりを進めてきた。県協会は県内20チームで500人規模の新規部員加入を見込んでおり、角田さんは「大会後も普及を持続できるかが今度の課題。チャンスとして捉えたい」と話している。

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