空母・レーガン横須賀帰港 原子力艦寄港千回 空母母港化で滞在日数増

米海軍横須賀基地(横須賀市)に入港する原子力空母ロナルド・レーガン。これで原子力艦船の横須賀への寄港は通算千回となった=2日、午前11時38分

 米海軍横須賀基地(横須賀市)に配備されている原子力空母ロナルド・レーガンが2日、同基地に帰港した。今回の寄港で、米原子力艦船の同基地への通算寄港回数は千回に達した。

 同基地へは、1966年5月30日に原子力潜水艦スヌークが原子力艦船として初めて寄港。当初は1桁台が主だった年間の寄港回数は、1982年以降は2桁台が続いており、昨年は24回で、今年は今回の寄港で19回目となった。

 原子力艦船の延べ滞在日数は、2008年に通常型空母に代わり、原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が同基地に配備されたことに伴って急増。GW後継艦のR・レーガンが横須賀を事実上の母港とした翌年の16年には、過去最多の341日を記録した。

 通算寄港回数が千回に到達したことを受け、在日米海軍司令部は神奈川新聞の取材に「このたびの横須賀への原子力艦船の千回目の寄港は、日米両国の恒久的な関係を象徴するもの」との談話を寄せた。原子力艦船は米海軍の主要な戦闘艦の約4割を占めているとし、過去55年にわたって横須賀、佐世保、沖縄に2千回以上の寄港を安全に行ってきたとも説明した。

 また、横須賀市の上地克明市長は「原子力艦に限らず、全ての艦船が常に安全で安定的に運用されることが重要であると考える」とコメント。市基地対策課は今後も同基地での原子力艦船の運用は続くとの見方を示し、「千回というより、これまでも、これからも、一回一回安全に入港することが重要」とした。

 一方、市民団体のメンバーは同日夜、同基地ゲート前に集まり、抗議文を提出した。「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の新倉裕史さんは東京電力福島第1原発事故を引き合いに出し、「千回の寄港で大きな事故がなかったからといって安全・安心とは言えない」と指摘した。

 R・レーガンは2日午後0時22分、同基地12号バースに入港。市によると、今回の目的は、物資の補給と乗組員の休息など。出港の予定は不明だが、20日に同基地などで実施される日米合同原子力防災訓練には参加するとみられる。

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