あなたが死ぬ確率は?病気、がん、交通事故…もしもの確率から保険を考える

日本人の平均寿命は、男性が81.25歳で、女性が87.32歳です。しかしこの平均寿命というのは、全年齢の平均のことなのです。つまり0歳の人が平均で何年生きるのかというのが平均寿命です。あなたが、あと平均で何年生きることができるのか?というのは、平均余命でわかります。

たとえば、平成30年の簡易生命表のデータでは、40歳男性の平均余命をみると42.20年というのが出ています。ただ、毎年平均余命は伸びています。何年かして確認をすると余命は伸びているはずです。

平均余命を調べれば、自分の平均的な寿命はわかりますが、自分が死亡する確率ってどのくらいでしょうか?また、自分ががんに罹る確率は?入院する確率ってわかりますか?今回は、あなたの身に起こる確率を考えてみましょう。

今回取り上げる確率は次の確率です。あなたが、死ぬ確率は?あなたが、入院する確率は?あなたが、がんで死ぬ確率は?あなたが、交通事故で死ぬ確率は?あなたが、飛行機事故で死ぬ確率は?

あなたは、「もしも」の確率を正しく認識していますか?


死ぬ確率は?

まず、40歳男性の確率について考えてみましょう。参考にしたのは、「厚生労働省平成30年簡易生命表の概要」です。40歳男性の死亡率は、0.00094%です。

簡易生命表によると40歳の男性の10万人に約1人が死亡すると言うことです。この10万人に1人が死ぬというのは、多いと感じるか少ないと感じるかは、人によって違うと思います。明日、何らかの事件や事故に巻き込まれて、自分が死ぬとは思っていませんし、そんなことは、あまり思いたくはありません。

しかし、死ぬ確率は0%ではないと言うことです。

そう考えると、もしも自分が死んでしまったとき、お子さまなどの扶養家族がいる場合は、残された家族がどうなのか心配でしょう。40歳の若さで死亡するとは考えたくもないですが、その場合の損失額は非常に大きくなります。残された家族のための備えもが必要だと思います。ひとまず死亡保険に加入すると安心でしょう。年齢が若いと死ぬ確率も低いので、掛け捨ての死亡保険なら保険料も安いです。

入院する確率は?

入院する確率は、どのくらいでしょうか?

厚生労働省の「患者調査の概況」(2017年)で見てみましょう。受療率では、入院した人の総数は1036人です。これは対10万の数字なので、パーセントに直すと、1036人/10万人=1.036%です。40〜44歳の男性をみると327人が入院をしています。ですので、約0.3%です。

327人/10万=0.327%です。

年齢が上がるほど入院の確立は高くなります。70〜75歳は1712人が入院をしているので、1.712%です。やはり、若い人は、入院する確率が低いですね。次にどのくらい入院をするのかというと、平均入院日数は約30日です。しかし、34歳〜65歳の平均入院日数は、23.1日です。

入院は長いと思いがちですが、入院日数の分布をみると、入院日数で68.2%の人が、14日以内に退院をしています。ということは、ほとんどの場合は2週間以内に退院しているということです。

入院が長期化するのは、統合失調症などの精神疾患や脳血管疾患の一部です。それ以外では、入院が長期化することは意外に少ないのです。

医療保険で考えると、医療保険というのは、入院給付金・手術給付金が中心です。ですから、入院の短期化で、医療保険は、じつは必要性の低いものになっています。また、高額療養費制度がありますので、自己負担も少ないのです。

もし、入院が長期化しても、現在発売している医療保険は入院限度日数が60日型が中心なので、長期の入院には対応していません。こういった情報を整理してみると、医療保険というのは、それほど重要性がないと言えます。

がんに罹る確率は?

では、次にがんで死ぬ確率をみてみましょう。

国立がん研究センターのがん情報サービスのデータによると、40歳男性が10年間にがんで死亡する確率は、0.3%です。20年間だと2%になります。40歳女性ですと10年間にがんで死亡する確率は、0.5%です。20年間だと2%になります。

次にがんに罹患する確率を見てみましょう。40歳男性が10年間にがんに罹る確率は、2%です。20年間だと7%になります。40歳女性ですと10年間にがん罹る確率は、4%です。20年間だと9%になります。

こうみると、年齢が若いときは、女性のがんの罹患率は高いです。ただし60歳以降は男性の方が罹患率は高くなります。データは、平均の数字です。がんの場合は、部位によって死亡率も変わってきますし、男性と女性ではなりやすいがんというのも違ってきます。

このデータでわかることは、年齢が若くても、がんの罹患率は意外と高いですね。がんの場合は、治療費は高額療養費制度があるのでそれほど自己負担は多くないのですが、仕事が続けられなくなり、生活費への影響が大きいです。

がんに罹って、生活費に困るようになるのは、避けたいですね。そのためにがん保険に対しては、ある程度の備えが必要になります。

交通事故で死ぬ確率は?

あおり運転や高齢者の運転事故などのニュースがテレビで話題になりました。では、交通事故の件数は増えているのかというと、それは年々減っています。

これは、クルマの性能がよくなって、追突防止や自動ブレーキが装備されたためです。
警察庁発表の2018年の交通事故の死亡者数は、3532人です。

10万人あたり、2.79人です。確率は0.0000279%となります。

飛行機事故で死ぬ確率は?

知り合いのなかで、「飛行機事故が怖いから、鳥取までクルマを使って行ってきた」と言う人がいます。この考え方は、正解でしょうか?
たしかに、交通事故での死傷は少ないです。ただ、事故件数をみると43万345件で、負傷者数は52万4659人です。
では、飛行機事故での死亡する確率を考えてみましょう。

「航空安全ネットワーク(ASN)」が発表した2018年の飛行機事故の死亡者は、全世界で556人です。国連によると世界人口は77億人です。

飛行機事故で死ぬ確率は0.000000072%です。

超距離移動は、飛行機の方がはるかに安全というのがおわかりになりましたでしょうか?と、言われても、車に乗るときには「大丈夫かな?」なんて思ったりしませんが、飛行機が離陸するときに「大丈夫かな?」と思ったりします。
人の気持ちというのは、確率だけでは割りきれないものがありますね。

確率を知ることは、節約にもつながります。
というのは、あれが心配、これが心配とあれもこれも保険でカバーしようと思うと、いくらお金があっても足りません。

確率を正しく理解して、必要なことに必要額の保険をかけることが節約にも通じることになるです。そうしないと、「安心料」のために不要な保険料を多く払うことになってしまうのです。

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