「あり得ない」→「当たり前」 ポスト安倍候補2氏連携に熱視線

新宿御苑を並んで視察する河野防衛相(手前右)と小泉環境相(同左)=2日午後、東京都

 9月の内閣改造で初入閣した小泉進次郎環境相(衆院11区)と、横滑りで重要ポストを担う河野太郎防衛相(15区)の連携が目立ち始めた。災害対応の強化を念頭に「環境省と自衛隊の連携は国民のためになる」とするが、連携アピールの真意を巡りさまざまな臆測を呼びそうだ。自民党の「ポスト安倍」候補として取り沙汰されている2人だけに、タッグの行方に熱視線が注がれている。

 「防衛大臣が行くらしいと聞いて『よし、お迎えしよう』と」。2日、東京・新宿御苑。環境省主催の菊花壇展を並んで鑑賞した小泉氏は、河野氏を招待した理由を記者団にこう語った。

 両氏は3日にも台風で甚大な被害を受けた長野県を訪れ、災害廃棄物の処理状況などを合同で視察する予定。2日連続で息の合った姿をアピールする形だが、ツーショットの場面はこの1週間でこれだけにとどまらない。

 小泉氏は、河野氏が10月28日に開いたパーティーにも出席。父・純一郎元首相が中選挙区時代、河野氏の父・洋平元衆院議長が旗揚げした新自由クラブ所属の故田川誠一氏と同じ選挙区でしのぎを削った歴史に触れ、「同じステージに上がるのは一昔前の横須賀だったら考えられない。かつてはあり得ないと思われたことが、今では当たり前になる時代になった」と会場を盛り上げた。

 「かつてはあり得ない」と言いつつも、小泉氏は2009年の党総裁選に出馬した河野氏の支援に回るなど、両氏は近い関係にある。ただ、これまで表立って連携をアピールする機会は少なかった。

 パーティーの場では、「神奈川県(選出の議員)同士、よりよい日本づくりができるように頑張っていく」と意気込んだ小泉氏。河野氏はこの10日ほど前に次の総裁選に「名乗りを上げたい」と明言しており、2人が並べば「ポスト安倍」時代を見据えた動きと映るのは避けられない。

 11月2日の新宿御苑で記者団に問われた小泉氏は「単純な気持ちでやったことが、全て陰謀めいて取られる」と笑い飛ばしてみせた。だが、2人の連携の行方は、今後も政界の注目を集めそうだ。

© 株式会社神奈川新聞社