〔十勝岳〕1日から火山性地震が増加、今後の火山活動の推移に注意(11/3)

北海道の中央部に位置する十勝岳では、今月1日から振幅の小さな火山性地震が増加しており、札幌管区気象台は、3日夕方、十勝岳に「火山の状況に関する解説情報」と「火山活動解説資料」を発表し、今後の火山活動の推移に注意を呼びかけています。
なお、十勝岳の噴火警戒レベルは、レベル1(活火山であることに留意)が継続しています。

札幌管区気象台によると、十勝岳では、1日14:00頃から、62-2火口付近の浅いところを震源とする振幅の小さな火山性地震が増加し、きのう2日13:00からきょう3日13:00までの24時間で72回を観測しました。24時間の火山性地震の回数が50回を超えたのは、昨年(2018年)12月7日以来です。
また、火山性微動は観測されていないものの、傾斜計では1日07:00頃から2日07:00頃にかけて、62-2火口方向が隆起する変化が観測されました。
火口の噴煙の状況など表面的には変化はなく、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は現時点では認められていませんが、十勝岳では、長期的には噴煙の高い状態や地熱域の拡大・温度上昇、地震の一時的な増加など火山活動の活発化を示す現象が観測されています。こうしたことから、気象台では十勝岳での今後の火山活動の推移に注意するとともに、火口周辺での突発的な噴出現象にも注意するよう呼びかけています。

十勝岳は、最近では2004(平成16)年2月にごく小規模な噴火が観測されています。また、1926(大正15)年噴火の大正火口および1962(昭和37)年噴火の62-2火口では、現在でも活発な噴気活動が続いています。

◆用語解説「火山性地震」
・火山体およびその近くで発生する地震のこと。身体に感じられないような微小な地震も含まれる。火山体の地下で何らかの破壊現象が起きて発生すると考えられている。

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