終の住処に手話を 施設づくり目指しチャリティーコン

「居場所づくり」を意味する手話のポーズで写真に納まる上奥さん(下段中央)らコンサート関係者=西彼長与町、老人福祉センター

 終(つい)の住処(すみか)に手話を-。長崎県ろうあ協会などでつくる聴覚障害者居場所づくり推進委員会(委員長・坂口義久県ろうあ協会会長)は聴覚障害のある高齢者が、手話を使って介護を受けたり日常生活をおくれる施設づくりに取り組んでいる。同会では資金を集めるために10日午後2時から、長崎市宝栄町の活水高チャペルで同市出身のシンガー・ソングライター、上奥まいこさんによるチャリティーコンサートを開く。
 推進委募金班の西川研班長(60)によると、県内には手話でコミュニケーションを取れる介護施設がないため、高齢化した聴覚障害者はそうしたサービスに対応した他県の特別養護老人ホームなどに入所せざるを得ない状況という。そのため2017年ごろ、県ろうあ協会が中心となり、推進委を発足。来年度の施設オープンを目指して、資金1億円を集める募金活動に取り組んでいる。
 コンサートはチャリティーのほか、健常者に聴覚障害者への理解を深めてもらう目的もある。
 当日は上奥さんのオリジナル曲「影おくり」など12曲を披露。演奏に合わせ、県内の手話サークルの会員が舞台上で手話を使い歌詞を観客に伝える。ほかにAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を作曲した伊藤心太郎さん、九州在住のギタリスト、pepe伊藤さんも出演する。上奥さんは「施設づくりを目指す方々の思いを、メッセンジャーとして多くの人に届けたい」と話している。
 チケットは全席自由、前売り3千円(当日500円増し)。浜屋プレイガイド、絃洋会楽器店で取り扱っている。コンサートの問い合わせは推進委の山下さん(電090.5386.3541)。募金についての詳細は県ろうあ協会長崎支部(電095.849.5322)。

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