コンサル・現職・N国 海老名市長選候補者の横顔

(左から届け出順)氏家秀太氏、内野優氏、立花孝志氏

 10日投開票の海老名市長選は、無所属新人で経営コンサルタントの氏家秀太氏(52)、無所属現職で5選を目指す内野優氏(64)、新人でNHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)の3氏が立候補し、舌戦を展開している。各候補の市長選に懸ける思いや重視する政策、信条などを紹介する。 =届け出順

◆「故郷憂え出馬を決意」 氏家 秀太氏(52)

 政治は未経験ながら市長選の出馬を決意したのは、地元・海老名を憂えてのことだった。

 企業のコンサルティングや講演、さまざまな媒体への執筆・出演など多方面に才能を発揮してきたが、50歳を機に、高齢になった家族の面倒を見るためもあって、育った故郷に戻った。そこで「現市政への不満を多く聞き、自分も疑問を感じるようになった」。

 最たるものが、家庭系ごみの一部有料化だ。市は9月末から、家庭系の指定有料ごみ袋と戸別収集を導入した。これに「人口を増やす政策を講じながら、今までごみ問題に無策だった結果を市民に押しつけている。撤回させたい」と語気を強める。待機児童対策も同様だ。「現市政は、人口増で待機児童が増えるのも当たり前といった考え方。市民を向いていない」と憤る。

 学生時代は生徒会長を務める傍ら、廊下で歌謡曲のワンマンショーを披露。同級生から人気を博したという。

◆「まちづくり継続訴え」 内野 優氏(64)

 現地現場主義が信条。「政策を実行してこられたのは市民の存在と、職員の努力のおかげ」とうなずく。「今のまちづくりを継続するかどうか、政策で市民に判断してもらいたい」と5期目を目指す今回の選挙戦に臨む。

 地元で生まれ育ち、大卒後に市役所に入庁。庁内は前例踏襲が色濃いと感じ、「市民のために変えたい」と27歳で市議に転身した。4期16年務めた後、1999年に44歳で市長選に挑むも落選。介護ヘルパーの資格を取得したり、ガス検針の仕事に就いたりした浪人中を「地域でおせっかいを多く焼いた」と振り返る。

 2003年の市長選で初当選して以来、4期16年にわたって市政を担ってきた。ベテラン市議からは「時に大きな賛否も呼ぶが、大胆な政策で思い切った改革ができる」との評価も聞かれる。

 業務多忙の中でリフレッシュできるのは、愛犬との散歩の時間。近隣首長から親しみを込めて、「うっちゃん」と呼ばれている。

◆「思い付いたら即行動」 立花 孝志氏(52)

 勤務していたNHKの受信契約や集金のあり方に強い疑問を抱いてきた。退職後、政治の世界に進み、千葉県船橋市議、東京都葛飾区議に当選。受信料を払った人のみがNHKを視聴できる「スクランブル放送」の実現を公約に掲げ、7月の参院選比例代表で初当選した。

 自身の性分は「思い付いたら直ちに行動を起こし、結果を見て、次につなげる」。10月の参院埼玉選挙区補欠選挙に立候補し、参院議員を自動失職。その選挙期間中に海老名市長選の出馬を表明した。

 その意図を「有権者に、首長ならNHKの集金人の戸別訪問を条例で止められるんじゃないかと教えられた」と説明。集金人の戸別訪問を禁止する条例制定や、NHK受信料の未払い世帯に年間5万円支給などを掲げた。市長選を選んだ理由を「一番早い時期にあったから」とし、今後も他の首長選に出る意向も示す。

 動画共有サイト「ユーチューブ」に投稿する「ユーチューバー」でも知られる。無類の動物好き。

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