アテネ五輪金 野口みずきさん 五島でランニング教室

子どもたちに手本を見せながら、リズムに乗って脚を大きく振り上げる体操を教える野口さん(手前左)=五島市中央公園陸上競技場

 長崎県五島市で4日、女子マラソンのアテネ五輪金メダリストで日本記録保持者、野口みずきさん(41)のランニング教室があった。野口さんは、自身が現役時代に取り入れていたリズミカルな準備体操を、市内で陸上競技に励む子どもたちに伝授。「階段を1段ずつ上がるようにこつこつ努力することで夢に近づける」とエールを送った。
 野口さんは身長150センチと小柄だが、体のバネを生かしたストライドの大きな走りで数々の国際大会で活躍。2004年アテネ五輪で金メダルを獲得し、翌05年ベルリンマラソンで出した2時間19分12秒の日本記録は今も破られていない。16年に引退後は解説者などとして活動している。
 ランニング教室は、野口さんがアドバイザーを務める岩谷産業陸上部が昨年から五島で合宿を行っている縁で実現。市内のジュニア陸上クラブや中高陸上部の約80人が参加した。
 今回練習した体操は「ブラジル体操」とも呼ばれ、スキップで前進しながら脚や腕を大きく振り上げたり腰をひねったりする運動。野口さんは「リズム感やテンポ、柔軟性は長距離選手に大切。疲れた状態でラストスパートの走りに切り替える時にリズム感が役立つ」と紹介した。子どもたちは野口さんの動きをまねしながら楽しく体を動かしていた。
 市立緑丘小6年の山田大貴君(12)は「一つ一つの動きを丁寧に練習すれば力が付くと思う。これからも続けたい」と刺激を受けた様子だった。

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