橋本淳☆話題の実力派俳優が菅田将暉主演の舞台「カリギュラ」に出演!

橋本淳☆話題の実力派俳優が菅田将暉主演の舞台「カリギュラ」に出演!

NHKドラマ10「これは経費で落ちません!」など話題のドラマや舞台に多数出演して活躍中の橋本淳。11月9日からスタートする菅田将暉主演の舞台「カリギュラ」への出演についてや、演じることへの思いなどを聞いた。

──最新出演舞台「カリギュラ」は、役者にとってチャレンジングな作品となりますね。

「7月ぐらいに台本をいただいて、1人で作る作業に疲れてきたところで(10月上旬に)本読みに入り、『ようやく始まったな』という感じです。皆さんの声でセリフが聞けて、少しホッとできたところです」

──以前ツイッターで「恐怖と期待であふれかえっています」とつぶやいていましたが、どんな思いだったのでしょうか?

「毎回、作品に入る時に怖さは絶対にあって。今回もやっぱり怖いです。台本を早い段階でいただけたので、まずはアルベール・カミュの勉強から始めました。この戯曲を最初に読んだのは20代前半だったのですが、その時はまったく分からなかったんです。今回出演することが決まり、戯曲を何度も読み返しました。分からないところも多いのですが、読むたびに少し理解できてくるというか、『ここはこういうことなのか』という取っかかりが見えてくるんです。言っていることは難しいですが、結局は普遍的で人間的な話なんですよね」

──今回、クーデターの中心人物としてカリギュラと対峙する貴族・ケレアを演じられますね。

「ケレアはクーデターの中心人物でありながら、“カリギュラの友人”という真逆な一面も持っている役です。教育者としてカリギュラに哲学や文学の素晴らしさを教えたのもケレアなので、教養を身につけさせてしまったがために悩む部分も多いのかなと。暴君を誕生させるきっかけを作ったのが自分だと分かっているから、カリギュラの暴虐な行為が他人事に思えないんですよね。だから、カリギュラとの関係性をどう作っていくかが大事かなと。稽古を重ねながら役作りしていけたらと思っています」

──「カリギュラ」の次は「泣くロミオと怒るジュリエット」と舞台出演が続きます。

「桐山(照史)くんがロミオで柄本(時生)くんがジュリエットを演じるのですが、このツーショットを見るだけでワクワクします。しかも全編関西弁で、オールメール(=全員男優)という。この企画書だけで僕は『やりたいです!』と言いました。鄭義信さんの新作というのも理由としては大きいです」

──「ロミオとジュリエット」という、あまりにも有名な作品を題材にしていることによって、物語がすごく身近に感じますよね。

「間口が一気に広がりますよね。そういうところもうまいなあと。ただ、関西弁が僕の中で大きな課題になっていくと思うのですが…そこも楽しみたいです」

──主演の桐山さんは、NHKドラマ10「これは経費で落ちません!」で共演された重岡(大毅)さんに続いて、ジャニーズWESTのメンバーですね。

「そうなんです。だから『これは経費~』の撮影中、シゲに『次、桐山くんと一緒なんだよ』と言ったら、『マジっすか!』と、その場ですぐに連絡をしてくれて。それから本番を撮影して、次の段取りの準備の時にもう返事が来ていて、『淳さん、よろしくお願いしますって言ってます』って(笑)。本当に仲がいいグループなんだなと思いました。そのやりとりで、桐山くんもとってもいい人なんだろうなということが分かって、ちょっと安心したんです」

──「これは経費~」では、業務改革する厳しい専務という役柄で第8話から登場されました。

「もうチームワークができあがっている現場に途中からの参加ですから、怖かったですよ。以前舞台で共演した吹越満さんと髙橋洋さんがいたことが救いでした」

──このドラマ出演で、橋本さんのことが気になった方も多いと思います。

「そうだとうれしいですが…。でも、心は痛かったです。経理部を潰そうとしている嫌なやつだと思われていたと思うので」

──最後は少し人間味あふれる一面ものぞかせていましたよね。

「そうですね。その変化に多部(未華子)さん演じる森若さんはちょっと戸惑っていたみたいですが(笑)」

──「これは経費~」はハマって見ていた視聴者の方も多く、反響も大きかったですよね。

「ありがとうございます。続編はありますかね(笑)? 途中からですが、温かく迎え入れていただいて、僕も楽しくやらせていただきました。シゲは若いけど、“太陽”という役名そのままのような人で、現場を明るく盛り上げてくれました。吹越さんやモロ師岡さん、東京03の角田(晃広)さんとかは、やっぱり“笑い”に関してはきっちり取っていくし。映像の現場って、一瞬にかける強さが違いますよね。そこはすごく刺激的でした。撮り終わったらそのシーンは2度とやらないので、1日が終わると『あのシーン終わっちゃったんだ』なんて、物悲しくなることもありましたね」

──数多くの舞台に出演されている橋本さんですが、舞台を経て映像に出演された時に、何か変化はありましたか?

「映像も舞台も難しい部分はあるとは思うのですが、舞台を経て映像の現場に行くと、監督が感情の部分で何を求めているのかということがすぐに分かるようにはなりました。それはやっぱり、いろいろな演出家さんの演出を受けたからかもしれません。言葉の裏にあるものを理解するスピードが以前よりは上がったのかなと。でも、演じるという意味では、ベースは変わらないとは思っています」

──過去の作品では、NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」(’07~’08年)への出演も話題になりました。

「ありがとうございます。もう12年も前の作品ですが、いまだにキャストの皆さんとはお付き合いがあるんです。お父さん役の松重(豊)さんはメル友で、楽屋ののれんを作ってくださって。お母さんの和久井映見さん、お姉ちゃんのしーちゃん(貫地谷しほり)ともメールで連絡を取り合っています」

──それはすてきなエピソードですね。

「『ちりとてちん』がなかったら、僕は舞台俳優にはなっていなかったと思うんです。あのドラマに出ていた方が舞台人ばかりだったので、すごく影響を受けました。僕の俳優としての道が変わったきっかけの作品なので、とても思い入れは強いです」

──これから30代、40代と、さらに俳優として活躍の幅を広げていけるといいですね。

「あまり限定せずに、依頼していただいたことに挑戦していきたいです。『カリギュラ』や『泣くロミオ~』のように新しい演出家さんとやることもそうですが、新しい企画や役への挑戦というのは怖いけれど、毎日の糧になると思うんです。出会い一つ一つを大切にして、まずは目の前の『カリギュラ』という舞台を必死にやっているところです。先のことよりも、“今”を頑張らないといけないなと思っています」

【プロフィール】


橋本淳(はしもと あつし)
1987年1月14日東京都生まれ。山羊座。A型。’04年にドラマ「WATER BOYS2」でデビュー。連続テレビ小説「ちりとてちん」(’07~’08年)でヒロインの弟役を演じて話題に。近年の出演作に、ドラマ「これは経費で落ちません!」(’19年)など。’20年2月8日から上演の舞台「泣くロミオと怒るジュリエット」に出演。

【作品情報】


「カリギュラ」
11月9日から新国立劇場中劇場ほかで上演

20世紀のフランス文学界を代表する作家、アルベール・カミュの傑作戯曲を、栗山民也による演出で上演。愛し合った妹が急死し、暴君と化したローマ帝国の皇帝・カリギュラ役に菅田将暉。橋本は、クーデターの中心人物であり、カリギュラの友人でもある貴族・ケレア役を演じる。

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取材・文/石本真樹 撮影/中越春樹

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