加工キャベツ出荷130トン、前年の1.5倍の見通し/ゆうき青森農協(本所・東北町)、外食産業に照準

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ゆうき青森農協が開催した食育教室でキャベツを収穫する子供たち=8月下旬、東北町
収穫したキャベツを手に取る沼山さん。「品質をさらに高めていきたい」と意欲を語る

 ゆうき青森農協(本所・青森県東北町)管内での加工用キャベツの出荷が最終盤を迎えている。外食産業が求める千切り用などに特化したキャベツ生産は2016年にスタート。出荷量は右肩上がりで伸びており、4年目の今年は前年比1.5倍の約1300トンに達する見通しだ。関係者はナガイモやニンニクといった同農協の主力野菜に次ぐ産品に育つよう期待する。

 栽培されているキャベツは「寒玉系」が主体で、葉が硬く、玉の中に葉が詰まっているのが特徴。スーパーなどの店頭に並ぶキャベツに比べて水分が少なく、カットしても色や風味が長く維持されるという。このため加工業者からのニーズが高い。

 同農協は、ナガイモなど根菜類との輪作にキャベツが適していることに着目。取引先を通じて需要を確認した上で、組合員に作付けを募った。

 管内で現在生産しているのは30経営体。生産者は「キャベツ部門」をつくり、情報交換しながらレベルアップに努めている。

 スタートした16年こそ出荷量は238トンだったが、17年には667トン、18年は854トンへと増えた。出荷先は関東のカット野菜工場が主。栽培面積も初年の計4.8ヘクタールから計24ヘクタールに広がっている。

 「防除面などで各農家の技術が向上した結果だと思う。この地域に適した品種が見極められつつあることも大きい」。生産拡大の背景について、部門長の沼山直喜さん(45)=東北町=は説明する。

 4月上旬から苗を植え始め、7月から10月末にかけて収穫するのが1年のサイクル。加工用は収穫までの期間が長いため、病害虫などを防ぎ無事に育てるのに苦心するという。

 キャベツ部門の目標は、年間販売額を1億円の大台に乗せ、「部会」に昇格させることだ。同農協によると、今年の出荷量でも目標のまだ7割。沼山さんは「まだまだ苦労の連続」と笑いつつ、「関東などの大産地に勝つためには、さらに品質を高めていくしかない。安定出荷に向け、部門でスクラムを組んで頑張りたい」と力を込める。

 生産の伸びに合わせ、農協側も支援・宣伝に力を入れている。昨年には六ケ所村の支援を受け、キャベツ収穫機を導入。生産者に貸し出し、省力化を後押ししている。今年8月には東北町内の親子を対象にした食育教室に、キャベツの収穫体験を組み込み、地元での認知度アップも図った。

 酒井一由組合長は「今後も消費者と生産者のニーズのマッチングに積極的に取り組みたい」と意欲。30代、40代の生産者が多いことから、同農協は息の長い産地となることをアピールし、売り込みを図ることにしている。