アクアリストのボクだから分かる“釣りのウワサ”の本当の所 釣りにはいろんなセオリーや噂が存在します。今回は釣りにまつわるセオリーや噂をアクアリスト(熱帯魚愛好家)目線から、嘘かホントか検証していきます

釣りの噂ってどこまで本当なの?

釣りにはいろんなセオリーや噂が存在します。

たとえばフラッシングがリアクションバイトに効く! やマッチザベイトを意識すると魚がよく釣れる! 等々……。

これらは釣り人の経験則から導きだされたものですが、水の中に潜ってみてきたわけでもないし、どこまで本当なのか怪しいと思う釣り人も沢山いるのでは?

アクアリストは魚の反応を自分の目で観てる

釣りをしていると中々見られない魚の水の中の姿。釣り人にとっては想像の世界といえます。

ところが魚を水槽で飼育しているアクアリスト(熱帯魚愛好家)は日々、魚の生活を実際に観ることが出来るのです。

今回は釣りにまつわるセオリーや噂をアクアリスト目線から、嘘かホントか検証していきますよ!

この記事を書いた人

ビックリマン高田

海外ツアーChillTrip所属のプロフィッシングガイドであり、熱帯魚雑誌に記事を書いたりすることもあるアクアリスト。

今回の写真は自分が飼育している魚たちに沢山登場してもらいます。

悪い水は釣れない?

海の釣りでも淡水の釣りでも生命反応が感じられない場面で“水が悪いから釣れない”というセリフをしばしば聞くことがあります。

“悪い水”とは具体的な言葉で言うと”水質が悪い水”です。

釣りにおいては水通しの悪い場所、生活排水による汚染、水温の急激な急上昇、下降などが悪い水を作り出す原因となります。

水質が悪い水槽では魚はエサを食わない

写真は長期外出中にトラブルによって濾過機能が停止してしまった水槽。

幸運にも魚は生きていましたが、それまではエサをガンガン食べていた魚も、悪い水によって調子は悪くエサ食いも良くありませんでした。

水槽下においては魚のふん尿によって水が悪くなるので、水替えによって悪い水になることを防ぎます。

高田

これは水槽環境での話ですが、自然環境下でも水質の悪い場所ではエサやルアーを捕食する可能性は格段に下がると考えられるでしょう。

水温が低下すると活性が下がる?

寒波や、冷たい大雨などによる冷え込みは活性が下がって釣れないと言われます。

魚は水の中で水温が急激に下がった場合どんな反応を見せるのでしょうか。

水槽下において水替えの際、水槽温度よりも低い水を入れると目に見えて活性が下がります

先ほどまで餌をくれとねだっていた熱帯魚がじっとして、エサを入れても食わなくなります。

自然環境下においても同じ現象が起こっているのでしょう。

高田

魚は変温動物。魚種ごとに適水温の下限・上限は異なりますが、多くの魚が急激な水温の変化で低活性になってしまいます。

マッチザベイトって本当にあるの?

マッチザベイトとはエサのサイズや見た目にルアーを合わせることをいいます。

リアルに作っているとはいえ、偽物であるルアー。はたして本当に魚が間違えてしまうことがあるのでしょうか。

餌付けもマッチザベイト

魚を飼い始めて慣れていない場合、人工飼料には餌付かずに、生きた小魚しか捕食しない場合があります。

そんなとき、小魚と一緒に同じくらいのサイズの人工飼料を与えると捕食してくれることがあるのです。

観察していると、魚が下から見上げたシルエットが近いため間違って捕食しているように見えます。

まさにルアーを間違って捕食してしまうマッチザベイトと同じ原理でしょう。

ローライトが釣れる理由も納得

小魚と一緒に人工飼料を入れても、きちんと本物を見分けて捕食してくれないこともあります。

そんな時は部屋の電気を消すと、人工飼料を食べてくれる確率が上がります。夜や曇りの日が釣れるのはルアーを見破りにくくなる効果も見て取れます。

高田

マッチザベイトで重要なのは、見た目のリアルさというよりも“間違って食べてしまう条件”であるか否かな気がします。

魚はプレッシャーを感じると捕食しない?

魚を飼い始めたばかりの時に、特に言えるのですが魚は警戒心がとても高い傾向にあります。

特に大型の肉食魚であればあるほどその傾向は強いです。水槽を観ている間は捕食しないのに、部屋を出て人が居なくなった間に餌を食べるということが多々あります。

高田

弱肉強食の世界では、より慎重で臆病になる事が生き延びる秘訣なのかもしれません。

他の魚の捕食音で活性が上がる?

群れの1匹がベイトを捕食した瞬間、群れの魚全体のスイッチが入る……という噂があります。

はたして魚は他の魚の捕食音を聞いて、自分も「捕食したい!」と思うことなどあるのでしょうか。複数の魚を入れた水槽の実例からその噂を確かめましょう。

遠くからでも飛んでくる

餌をあげて一番初めに気が付くのは、エサを入れた近くにいる魚。

ところがその魚がエサを食べ始めた瞬間、遠くの隅で休んでいた魚もエサの場所まで飛んできて捕食をはじめます。

高田

死角からも泳いでくるので、他の魚の捕食音を認識して、エサの有無を確認している可能性が高いです。

肉食魚にはフラッシングが効く?

光の反射、所謂フラッシングはルアー釣りにおいてとても重要な要素と言われています。

スプーンなどのルアーが釣れるのはフラッシングによるものとも言われています。また、リアクションバイトも誘発すると言うアングラーも。

高田

論より証拠。フラッシングは魚に絶大な効果があると考えています。コインを魚の目の前でキラキラさせるとこの通り。興奮している様子がわかります。1点キラッと光るものが興味関心を引くような気がします。

アクアリウムは釣りのヒントだらけ

水中の様子を見ることが出来るアクアリウムという趣味は釣りにとても役立ちます。

百聞は一見にしかずとやらで、想像の世界をこの目に見せてくれます。

また大好きな魚たちを自宅で観られるだけで幸せになれるというメリットも。

いいことずくめのアクアリウム。釣り人はどっぷりハマってしまう趣味かもしれませんね。

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