路面電車軌道でバスを自動運転 世界初、広島大が17日実験

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 広島電鉄(広島市中区)の路面電車の軌道上でバスを自動で走らせる実験が17日未明にある。広島大が5日、発表した。バスが電車を追って走行、停止し、車道に出るまでの一連の動きを自動で制御する。同大によると世界で初の取り組み。安全性や渋滞緩和の効果、乗り心地を確認する。

 広島大が本年度末までの3年間で進める国土交通省の採択事業の一環。同大や広電、中電技術コンサルタント(南区)、中国地方整備局、市などでつくる「広島地区ITS意見交換会」と連携する。終電の運行が終わった午前0時10分〜4時20分、広電江波線の舟入川口町電停(中区)付近の225メートルの区間で実験する。

 東京大発のベンチャー企業で、自動運転の開発を手掛ける先進モビリティ(東京)のバスを使う。幅は軌道に収まる約2.1メートル。最高時速15キロで9回走らせる。カメラやレーダーを載せ、車線の変更や維持、速度を自動で制御する。運転手は、信号での停車や非常時を除き操作しない。

 広島大は、バスの自動運転が普及した後に使える技術の蓄積を進めている。今回は、渋滞区間は軌道内にバスを走らせ、利用客が電停で乗り降りする状況を想定した。実験では、毎回8人のモニターに電停でいったん降車してもらう。乗り心地や不安の有無などを尋ねて実現の可能性を探る。

 5日は同大大学院国際協力研究科の藤原章正教授(交通工学)が中区で発表。「路面電車と乗用車が共存する広島発の技術として具体化したい」と強調した。電車とバスが双方向で通信して動きを制御する仕組みや、乗り継いだ際の料金水準なども今後検討する。「法律や保険など、自動運転を社会に広めるためのソフト面の議論も国内外で必要になる」との見通しを示した。(桑田勇樹)