群雄割拠の男子団体 水谷、張本ら自国開催で優勝目指す<JA全農 卓球チームワールドカップ男子見どころ>

写真:2019ドイツOPの水谷隼/提供:ittfworld

<JA全農 2019ITTFチームワールドカップ東京大会 2019年11月6日~11月10日>

6日からチームワールドカップが開幕する。今大会は、来年2020年の東京五輪と同会場の東京体育館で試合が行われるため、東京五輪のテスト大会と位置付けられており、東京五輪での金メダルを目指す日本にとっては、自国開催のチームワールドカップで結果を残し、弾みをつけたいところだろう。

今回は、そんなチームワールドカップに参加する各国を紹介する。男子の出場国は、中国、日本、ドイツ、韓国、スウェーデン、ブラジル、チャイニーズタイペイ、オーストリア、イングランド、ナイジェリア、アメリカ、オーストラリアの12ヵ国。まずは、日本代表から紹介する。

5選手それぞれが持ち味発揮し優勝目指す日本代表

日本代表には、張本智和(木下グループ)、水谷隼(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)、吉村真晴(名古屋ダイハツ)、神巧也T.T彩たま)の5人が登録されている。

水谷隼は、今年1月の全日本選手権優勝後に目が見えないことを告白し、以降はサングラスや眼鏡をつけて、少しでもボールが見えやすくなるように試行錯誤しながらプレーしてきた。伊藤美誠(スターツ)との混合ダブルスではワールドツアー優勝を果たすなど、苦しみながらも結果を残してきた。団体戦という得意な舞台で、日本の優勝、ひいてはその先に見える東京五輪代表の座を勝ち取ることができるか。

写真:2019アジア選手権の神巧也/提供:ittfworld

5番手として代表に食い込んできたのが神巧也だ。今シーズンに入ってからワールドツアーに積極的に参加し、世界ランキングをグングン上げ、遂に最新のランクでは52位に付けた。闘志を全面に押し出すプレースタイルの神は、チームの士気を高め、勢いを与えてくれる。世界の実力者たちを相手にどんなプレーを見せてくれるのか注目だ。

張本にとって、今大会は2度目のチームワールドカップとなる。前回大会以降、張本は、2018年ジャパンオープンシングルス優勝、グランドファイナルシングルス優勝など、様々なタイトルを獲得してきた。現在の世界ランキングは日本男子最高の5位。目標としている「五輪金メダル」のためにも、今大会は負けられない戦いとなる。

現在26歳でリオデジャネイロ五輪男子団体銀メダリストの吉村も、東京五輪代表の座を狙う一人だ。10月に入って世界ランキングを一気に10以上アップさせ、今大会でも代表入り。オリンピアンとしての経験値を活かせるか。

前回大会に引き続き代表入りした丹羽。25歳ながら、ロンドン、リオと2大会連続で五輪代表に選ばれている実力は本物だ。水谷や吉村と同様に、豊富な経験を活かして、日本の勝利に貢献することが期待される。

第2シードの日本はグループステージでオーストリアイングランドと対戦する。世界チームランキングはそれぞれ、10位、11位と、日本よりも格下ではあるが、侮れない相手だ。

ベテランと若手が揃う中国代表

写真:2019アジア選手権の梁靖崑/提供:ittfworld

中国代表には、樊振東(ファンジェンドン)、許昕(シュシン)、林高遠(リンガオユエン)、馬龍(マロン)、梁靖崑(リャンジンクン)の5人が登録されている。中でも注目の選手は梁靖崑だ。

昨年までは「中国期待の若手選手」だった彼も、現在世界ランキング7位。今や中国トップ選手の一人となった。今大会の中国代表の中では5番手という位置付けだが、2019年世界選手権シングルス3位、直近のワールドツアーでは2大会連続ベスト4と好成績を安定して残している。団体戦でどのような戦いを見せてくれるのかが注目だ。また、8月のオーストラリアオープン以来、国際大会から遠のいていた馬龍が、満を持して登場する。

第1シードの中国はグループステージで台湾、ナイジェリアと対戦する。現在、中国男子はチームワールドカップ7連覇を果たしており、今大会では8連覇を目指す。圧倒的な力を持つ中国に土をつける国は現れるのだろうか。

その他の注目選手

写真:2019ドイツOPのピッチフォード/提供:ittfworld

日本と中国以外も男子は強豪国揃い。日本がグループステージで対戦するイングランドもその1つだ。

世界ランキング19位のリアム・ピッチフォードは、昨年の世界選手権のグループステージで張本と水谷を倒して、イングランドに勝利をもたらした立役者だ。Tリーグ・T.T彩たまでも活躍しており、日本での戦いにも慣れている。日本代表にとっては、大きな壁となるだろう。

その他にも、ティモ・ボル、ドミトリ・オフチャロフ擁する第3シードのドイツ、張禹珍(ジャンウジン)、鄭栄植(チョンヨンシク)、李尚洙(イサンス)と実力者揃いの韓国、天才左腕・林昀儒(リンインジュ)のいるチャイニーズタイペイなどどこと当たっても激戦必至。

並み居る強豪を退け、日本男子は悲願の初優勝を勝ち取ることができるか。最後まで目が離せない。

文:ラリーズ編集部

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