ディーンの無国籍な魅力、ホームドラマの大傑作などドラマ通4人が忖度ナシで斬る!各局秋ドラマ①

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11月2日(土)放送の『週刊フジテレビ批評』は、「“変人”主人公ばかり!秋ドラマ辛口放談」の前編。

ドラマ解説者・木村隆志氏、日刊スポーツ芸能担当記者・梅田恵子氏、ライター・吉田潮氏、久代萌美フジテレビアナウンサーが、ドラマ通としての覚悟を持って現在放送中の秋ドラマを徹底的に斬る。

この秋の主なドラマ一覧

まずは木村の「(放談の)タイトルにもある通り、『シャーロック』、『まだ結婚できない男』、『同期のサクラ』(日本テレビ)『俺の話は長い』(日本テレビ)と、変わり者を主人公にしたものが多い」「名作と再会できる秋。13年ぶりの『結婚できない男』、12年ぶりの『時効警察』(テレビ朝日)、『シャーロック』、映画『男はつらいよ』の前日譚となる『少年寅次郎』(NHK)」という傾向分析からスタート。

ドラマ解説者・木村隆志

13年の変化、不変を演出、脚本が丁寧に表現している 『まだ結婚できない男』

その中で、オススメドラマとしてまず名前があがったのが、偏屈な主人公・桑野信介を描いた『まだ結婚できない男』。

吉田:私は前作(『結婚できない男』)のファンだったので、ちょっと心配をしていました。でも、相変わらずの偏屈な阿部寛がさらにパワーアップ。パグ犬が加わるなど昔のファンも引きつけるし、ここから入った人も引きつける構成になっていると思います。

ライター・吉田潮

木村:13年ぶりの続編なんですけれど、変えるところと変えないところが絶妙で遊び心もあるし、『桑野さん変わってない』と思うところもあれば、13年経ってちょっと成長しているんじゃないかっていうところも、演出陣も脚本も丁寧に表現している。女性(キャスト)3人が変わったという批判もあるが、これは慣れもあると思う。うまくいけば、『まだまだ結婚できない男』『まだまだまだ結婚できない男』…みたいに続くのでは(笑)。

梅田:もう真空パックしたものが、そのまま袋を開けて出てきたような。フォーマットもキャラもしっかりしているので、本当に面白い。53歳なりの、「昔(前作では)こんなこと言わなかったな」っていう、ちょっと大人のセリフもあったりして。

久代:13年経っても変わらない部分がありつつ、恋愛アプリで婚活したりとか、現代の要素もしっかり取り入れてて、それでも変わらない桑野さんが見られるというのが、すごく面白いです。

久代萌美フジテレビアナウンサー

『G線上のあなたと私』には作り手の良心を感じる

大人のバイオリン教室」で出会った年齢も立場もバラバラな3人の男女を描く『G線上のあなたと私』(TBS)。丁寧な作りと、新しい人間関係のあり方に評価の声が集まった。

木村:ヒロインのアラサー女性と、男子大学生、中年の主婦…3つの目線から感情移入できるようなドラマで間口が広い。それでいて静かな感動を呼ぶようなところ、行き過ぎない良さがある。最近のドラマって振り切っちゃう、感情の大きな上げ下げや、セリフも強いものが多かったりするんだけど、この作品にはそういうものがなくて、きちんと心の動きを追っているところが、作り手の良心を感じる。

吉田:恋愛ともちょっと違う、新しい人間関係の構築。専業主婦と無職の女性と男子大学生って、普段接点がなさそうじゃないですか。その中から友達なのか恋に発展するのかちょっとわからないところで関係性を築いていくっていうところに、私は憧れを感じてしまいました。

梅田:作品のクオリティでいえば、今期1、2を争う丁寧な作りだと思います。でも、主人公の魅力で見たい私からすると、中川大志さんとか松下由樹さんとか、そのほかの人の魅力で今まだ回ってるので、もうちょっと主人公の魅力を見せてもらいたいなって言うところが気になる、っていう感じがします。

ディーン・フジオカの無国籍な魅力が題材に合っている『シャーロック』

そして、令和の東京を舞台に、あの「シャーロック・ホームズ」の世界を大胆に再構築してみせた 『シャーロック』。

日刊スポーツ芸能担当記者・梅田恵子

梅田:面白いですね~。月曜日が楽しみでしようがない(笑)。不純な企画ならやめてくれって「シャーロック・ホームズ」ファンは思ったと思うんですけど、このチームでこういう“シャーロック”を見せたいんだっていうのを、みんなで共有しているのがわかる。ディーン・フジオカさんの無国籍な魅力っていうのが、“シャーロック”っていう題材にすごく合いますし、令和の東京をミステリアスに演出してくれる俳優さんだなって思いました。岩田剛典さんも佐々木蔵之介さんもバッチリ。ストーリーも世相を反映、原作もよく読み込んでいて「月9でかした!」ってう感じ。

吉田:まさか私が月9をあげるとは(笑)。おディーン様は、世界名作劇場の看板俳優みたいな感じでずっとやってきましたが、ようやく地面に足がついた感じがしていて。けれんみが元々あるんですよね、浮世離れしている。それがちょうどいいバランスで『シャーロック』の作品の中に存在する。このバランスの良さに私はハマりました。

木村:ディーンさん、太田(大)プロデューサー、西谷(弘)監督。このトリオって、『モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-』から続いている。なので、2人がディーンさんの良さを知り尽くしていて。(ディーン演じるシャーロックの役は)目につくし、鼻につくし。でも、いい意味なんです。すごくアイキャッチになっていて、ディーンさんを見ているだけで1時間あっという間、というくらいの作品になっています。

本当に“話が長い”が、ホームドラマの大傑作の予感『俺の話は長い』

続いては、 失業してニートになった男性の現実逃避に惑わされながらも、家族が絆を深めていく姿を描く 『俺の話は長い』(日本テレビ)。

梅田:もう爆笑です。大傑作出たなっていう感じで。私、ホームドラマあまり得意ではないんですけど、これはハマってます。脚本の金子茂樹さん、私大好きなんですけど、この方本当に会話劇がうまくて。30分2本立てというチャレンジをしている中で、脚本がバッチリハマってるんですよね。そして、その脚本を形にする俳優陣が素晴らしい。清原果耶さん演じる姪っ子も素晴らしいですし、学校に行きたくない姪っ子とハローワークに行きたくないおじさんの楽しい話(笑)。

木村:ほとんど梅田さんと一緒です(笑)。日テレがとにかく攻めている。30分2本立てもそうですし、今ホームドラマって作られないジャンルなので。そこだけでも半分成功したようなもの。最後まで見る価値があるという1本ですね。

吉田:マジ、話長い(笑)!令和の“渡鬼”かって思ったんですけど、どんどん会話劇にハマっていってます。

丁寧に作り込まれているという共通点がありつつ、異なった魅力を持つ3作品が高評価に。討論後半は、忖度なしのさらなる辛口批評が飛び出すか!?

後編は、11月9日(土)に放送。