「インスタグラマー国会議員」はいる?国会議員・政党のInstagram活用ピックアップ

ネット選挙解禁から約6年半が経ちました。政治家によるTwitterやYouTube等によるインターネットを使った情報発信は年々増加傾向にあり、前回の参院選でもネット選挙が様々な候補者によって活用されていました。

【参考】Twitterを活用して当選!?ネットが選挙に影響した参院選2019|第25回参議院選挙のネット選挙動向レポート(1)

政治家による進出はこれから? Instagramの活用状況

ネット選挙の主役は「つぶやき」を投稿してユーザーとのコミュニケーションを取ることができるTwitterです。画像や短い動画、URLを添付した投稿も可能ですが、やはりメインとなるのは文章によるやりとりです。
一方、若者世代を中心にユーザー数の伸びを見せているSNSがInstagramです。Instagramの主役は文章ではなく写真や動画。また、24時間で投稿が消えてしまう「ストーリー」機能も特徴的です。
SNSの流行が日々変化していく中で、ネットに敏感な政治家は既にInstagramにも参入しているようです。一体どのように利用しているのでしょうか?各政党や国会議員のInstagram活用状況をまとめてみました。

自民党

自民党公式

自民党公式Instagramは2万人以上のフォロワーを獲得しています。投稿の際のビジュアルデザインにもこだわっており、図解や動画を織り交ぜて政策や演説の様子が伝えられています。ストーリーのハイライト機能も活用し、自民党のホームページにアクセスせずとも重点政策やアベノミクス等について理解することができるようになっています。
Twitterでは「モーメント」という類似機能がありますが、Instagramのストーリーハイライトはモーメントよりもプロフィールページからのアクセスが容易であるという利点があります。

安倍晋三氏

首相・安倍晋三氏のInstagramは安倍氏の日々の政治活動の情報発信が中心。コンスタントに更新されていますが、首相官邸アカウントからのrepost(専用ツールが必要。TwitterのRTのように他アカウントの投稿を自分のページで拡散できる)も多いです。
全体的には真面目な印象ですが、「自撮り」をしている様子等、少しくだけた投稿も見られます。

鈴木貴子氏

鈴木貴子氏はプロフィールにハッシュタグ「#子育て」を明記しており、直接政治活動とは関係のないプライベートの投稿を多く織り交ぜてInstagramを更新しています。LINEのスクリーンショットやハートのスタンプを使って加工された写真は親しみが持てますね。同世代のInstagramヘビーユーザー層をターゲットにしているのでしょうか?

公明党

公明党公式

公明党公式アカウントは自民党公式アカウントと同様、ストーリーハイライトも用いた政策発信や活動発信を行っています。その他にも党本部で育てている花の写真や公明党の実績等を紹介する投稿も行っており、投稿内容は多種多様です。

佐々木さやか氏

公明党の「美女議員」としても有名な佐々木さやか氏のInstagramにはたくさんのコラージュ加工を施した写真が多数投稿されています。選挙期間はかなり投稿に力を入れていたようですが、参院選の後は一度も更新していないようです……。

高橋光男氏

高橋光男氏は複数枚写真の投稿、動画、ストーリーのハイライト、6分割投稿(1枚の画像を6投稿に分けて載せることです。プロフィールページで見たときに目立ちます)まで大活用。どの写真もメインカラーは青色に揃えられており、投稿一覧に統一性が見られます。政治家の中でも相当のInstagramマスターであると言えそうです。これからInstagramに参入する政治家の皆様は高橋氏を参考にしてみてはいかがでしょうか?

立憲民主党

立憲民主党公式

立憲民主党公式は3分割・6分割投稿を多用。プロフィールページの迫力は圧巻です。また、ひとつひとつの投稿が複数枚投稿になっており、スワイプすると政策やメッセージビジュアル、活動写真が見られるように工夫されています。しかし、参院選後は投稿がありません……。

蓮舫氏

蓮舫氏のInstagramは政策や政治活動状況の発信よりもむしろプライベートの投稿が中心。厳しい印象のある蓮舫氏ですが、Instagramからは蓮舫氏が1人の女性であり、母親であり、インターネットを楽しむ「普通の人」であることが伝わってきます。立憲民主党の支持層ともマッチするのではないでしょうか?

石垣のりこ氏

石垣のりこ氏のInstagramは自らの選挙活動の発信が中心。顔を覚えてもらうことを重視しているのか、石垣氏の強いまなざしが見える写真や笑顔の写真が多数投稿されています。選挙後の投稿は8月が最後になっています。

国民民主党

国民民主党公式

国民民主党公式Instagramはインフォグラフィック動画、党員紹介、プライベート写真等を投稿。ストーリーハイライトや分割投稿、repost等の機能は使いこなせていないようですが、やや不器用な感じが支持者にとっては逆に親しみを持てるのかもしれませんね。

玉木雄一郎氏

玉木雄一郎氏はネット発信に非常に積極的な議員の1人。TwitterやYouTube個人チャンネルでの情報発信以外にもInstagramで「#毎日たまき」というハッシュタグを作成し、毎日Instagramにも写真を投稿しているようです。プロフィールにはYouTubeチャンネルへの導線もあります。

伊藤たかえ氏

伊藤たかえ氏も鈴木貴子氏や蓮舫氏と同様「子育てママ」「プライベートで親しみの持てる」投稿が多め。投稿頻度も高く、随所随所に政治活動報告も織り交ぜられています。

日本維新の会

音喜多駿氏

元祖「ブロガー議員」の音喜多駿氏。他のSNSやブログと比較するとフォロワー数にはまだまだ伸び代があるように感じられます。投稿は家族や料理等プライベートの写真が多めで、SNSごとのターゲットによって投稿内容をコントロールしている印象です。

足立康史氏

足立康史氏はTwitterでは歯に衣着せぬ物言いでたびたび話題になる人物ですが、Instagramでの印象は至って真面目。日頃の政治活動について丁寧に報告しています。

日本共産党

たつみコータロー氏

前参議院議員のたつみコータロー氏は子供の写真等、プライベートの投稿が多め。家族団らんの微笑ましい様子が見られますが、最終更新は6月と寂しいことになっていました……。

社民党

社民党公式

社民党公式アカウントは真面目な政治活動報告アカウントかと思いきや、TikTokの社民党アカウントに投稿した動画をInstagramにも載せていたり、2年前には自撮りアプリ「SNOW」ブームが起こっていたりしたようです。文章はシンプルにハッシュタグや一言だけが多いようです。

福島みずほ氏

福島みずほ氏も前述の女性議員たちと投稿ジャンルの傾向は似ており、政治活動報告はしっかり入れつつ、プライベートの内容が多くなっています。国会議員のお茶目な一面が見られるのはInstagramの興味深い一面ですね。

れいわ新選組

れいわ新選組公式

山本太郎氏率いるれいわ新選組公式アカウントはストーリーハイライトで参院選候補者の紹介をしているのが象徴的です。政策を伝えるグラフィックも洗練されており、演説写真は魚眼加工を多用して迫力を出す等、れいわ新選組の思いの強さを最大限に伝えようという工夫が見られます。

舩後靖彦氏

7月の参院選で当選した舩後靖彦氏はInstagramアカウントを所持しています(舩後氏のアカウント: https://www.instagram.com/yasuhikofunago/)が、投稿はまだありませんでした。

NHKから国民を守る党

浜田聡氏

何かと話題のN国党からは代表の立花孝志氏が参院埼玉補選へ立候補したことで繰り上げ当選した浜田聡氏。N国党のYouTubeの盛り上がりとは対照的に、Instagramのフォロワーは600人弱となっています。浜田氏が立候補していた8月の埼玉県知事選に関する投稿以降は「皇居ラン」や地元・岡山でのジョギングの記録が主となっているようです。

丸山穂高氏

丸山穂高氏は政治活動についての投稿は少なく、ほぼすべてがプライベートの投稿です。最終投稿は2年前ですが、コメント欄は主にN国党入党についてや過去の発言に対する批判でそこそこ活発な模様……こちらも今後更新されることがあるのか気になります。

Instagramを使ったネット選挙は増えていく!?

各主要政党のInstagramユーザーや政党のアカウントを数名ピックアップしたところ、

・自民党公式のような他のSNSと同じことを漏れなくまとめて伝える活用法
・国民民主党の玉木雄一郎氏のように投稿頻度重視で自分を知ってもらう活用法
・立憲民主党公式のような選挙に注力!投稿の質重視の活用法
・蓮舫氏のようにプライベートを見せてイメチェン活用法
・残念ながら、放置してしまう政治家や政党も……

等々、活用の方法や状況は様々でしたが、ある程度共通して「プライベートの発信がやや多め」「選挙のときは目に見えて活発になる」という傾向が見られました。
まだTwitterに比べると政治家ユーザーの少ないInstagramですが、今後ネット選挙の需要が高まっていく中で、Instagramを活用する政治家は増えていくのでしょうか?

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