スーパー猛毒ちんどんワンマンライブ@LOFT HEAVEN! オレたちの人生ここからだ、いつまでも消えない祝祭のはじまり!

ロックカフェロフトで毎回満員御礼のトークイベント「バカ元年」を開催しているスーパー猛毒ちんどんが、2019年11月2日、LOFT HEAVENでワンマンライブを開催した。

天井には提灯がぶらさげられ、客席の真ん中には畳の花道が設置された。この日のLOFT HEAVENはいつものムーディーでおしゃれな雰囲気から一転、カラフルなメンバーがより際立つお祭りムードに変身。入り口にはちんどんメンバー・コウヘイの等身大パネルが置かれ、手書きの「インスタバイ」という文字が添えられていた。(※おそらく「インスタ映え」のことです)

前説には、Rooftopでのインタビューにも登場したノブと、インタビュー中に何度も話題が出ていたオグラによるコンビ「ホワイトホール」が登場。スーパー猛毒ちんどんは大所帯、バンドメンバーが定位置につくにもたいへんなのだ。何度も「(前説を)もっと伸ばして」と言われ、ノブとオグラはノーマイクで客席を盛り上げて(?)いた。

轟音がひびきライブが開始すると、メンバーは客席を練り歩きながら会場後方や立ち見席の中にまで入っていく。2曲目の「GOGO猛毒作戦」ではすでに会場は熱気ムンムン、「俺の 行く先には 敵ばかり それでも オレたちは 行く」のサビでは会場中がメンバーに煽られるまま一緒に手をあげる。

途中のMCでは、リーダーのイノウエが「2曲続けてどうぞ」と言いたいとのことだったが、なかなか2曲が続かず、予定外の場所でMCが入る。コンポーザーの佐藤がことわざクイズとして「二階から?」と聞くとメンバーは「火事」と答え(実際住んでいたアパートの2階から火事が発生した経験があったそうであながち間違いではない)、そのかけあいに観客は笑い声をあげて笑う。ちなみに、しばらく続いたことわざクイズは1問も正解しなかった。

「竹田の子守唄」カバーでは、ちんどん太鼓と祭笛が入ったアレンジ。見た目の華やかさと音の軽快さによって、よけいに歌詞の重さが浮き彫りになる。そして、「次の曲は、ライブのたびにリクエストされるからワンマンでしかやらない! 今日は貴重ですよ」とニヤリと笑うと、車椅子の加納によるキャッチーなソロ曲「足がない」へ。この日、入念なリハーサルもあり、キュートなボーカルがとても際立っていた。

ラストはこれぞスーパー猛毒ちんどんだと言わんばかりの名曲「グローリー号に乗れ!~感動するなら金をくれ」。メンバー一斉の「母ちゃんオレたちは 殺されるために 産まれて来たのか ここで一生 終わるモノか!」の大絶唱には、誰もが声をあげたい気持ちになったことだろう。クライマックスを迎え、高まり続ける熱気。笑いと涙のお祭り騒ぎだ。ステージめいっぱいの楽器隊が動けないため、楽屋に帰ることなく続けられたアンコール「スーパー猛毒ちんどんの数え唄」では、観客も一緒になって手をあげて振りつけを真似する。

笑いながら泣いてしまうような祝祭感がいつまでも消えない夜、この日のLOFT HEAVENは間違いなくわたしたち誰もの人生を肯定していた。

2019年11月2日(土)LOFT HEAVEN セットリスト

①たけす

②GOGO猛毒作戦

③金持ちになりたい

④トクちゃん

⑤プレゼント

⑥エール~クソださい君へ

⑦豊満音頭

⑧竹田の子守唄

⑨スーパー猛毒ちんどんの踊るダメ人間

⑩あんたの年金がなかったら一家が生活できないの

⑪しょんべん

⑫足がない

⑬いじめ

⑭グローリー号に乗れ!~感動するなら金をくれ

EC)スーパー猛毒ちんどんの数え唄

(Photo:スーパー猛毒ちんどん Text:成宮アイコ)

© 有限会社ルーフトップ