アストロズ 初のMVP、サイ・ヤング賞、新人王、3部門制覇なるか

ナショナルズとのワールドシリーズでは、第7戦までもつれる激戦の末、敗退となったアストロズだが、史上初の快挙を成し遂げるチャンスを残している。それはMVP、サイ・ヤング賞、新人王の「主要アウォード3部門制覇」だ。これまで2部門を制し、残りの1部門が2位だったのは1993年のホワイトソックスなど7チーム。今季のアストロズは3部門すべてを制し、史上初の快挙を成し遂げる可能性がある。

3部門のうち、新人王はヨルダン・アルバレスの受賞が確実視されており、サイ・ヤング賞もジャスティン・バーランダーとゲリット・コールによる一騎打ち。よって、アストロズの3部門制覇はアレックス・ブレグマンがMVPを受賞できるかどうかにかかっている。MVPはブレグマンとマイク・トラウト(エンゼルス)の一騎打ちになると見られており、ブレグマンがMVPを受賞すれば史上初の3部門制覇が達成され、仮にブレグマンが2位に終わったとしても、「2部門制覇かつ残りの1部門で2位」は史上8チーム目の快挙となる。

過去、3部門のうち2部門を制したのは52チームあるが、残りの1部門が2位だったのは7チームだけ。しかし、たとえば1993年のホワイトソックスは、MVPをフランク・トーマス、サイ・ヤング賞をジャック・マクダウェルが受賞したものの、新人王2位のジェイソン・バレイは1位票を1票も獲得しておらず、3部門制覇が「惜しかった」とは言えない。

その点で「惜しかった」と言えるのは、1965年のドジャースと1974年のレンジャーズである。1965年のドジャースは、サンディ・コーファックスがサイ・ヤング賞、ジム・ラフィーバーが新人王を受賞。MVP投票ではトップ3に2人、トップ5に3人がランクインしたものの、1位票を6票獲得したコーファックスは2位に終わり、1位票を9票獲得したウィリー・メイズ(ジャイアンツ)がMVPを受賞した。一方、1974年のレンジャーズは、ジェフ・バローズがMVP、マイク・ハーグローブが新人王を受賞したが、サイ・ヤング賞の投票ではファーガソン・ジェンキンスが惜しくも2位。ジェンキンスは1位票を10票獲得したが、1位票を12票獲得したキャットフィッシュ・ハンター(アスレチックス)が受賞者となった。

また、1952年にはアスレチックスのボビー・シャンツがMVP、ハリー・バードが新人王を受賞。当時はまだサイ・ヤング賞が存在しなかった(1956年に表彰開始)が、もし同賞があればMVP受賞者のシャンツが選ばれていた可能性が高く、史上初の「3部門制覇」はこのときに成し遂げられていたかもしれない。

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