Inovioが膠芽腫(GBM)に対する第2相試験で80%の6カ月無増悪生存を実証

Inovioが膠芽腫(GBM)に対する第2相試験で80%の6カ月無増悪生存を実証

AsiaNet 81464 (2198)

【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2019年11月5日PR Newswire=共同通信JBN】
*INO-5401とPD-1阻害薬Libtayo(R)(セミプリマブ)を併用
*メチル化患者の80%、非メチル化患者の75%に6カ月後、病気の進行がみられなかった

Inovio Pharmaceuticals, Inc. (NASDAQ: INO)は5日、3つの腫瘍関連抗原(hTERT、WT1、およびPSMA)をコードするT細胞活性化免疫療法であるInovioのINO-5401とIL-12をコードする免疫活性化因子INO-9012を、Regeneron Pharmaceuticals(リジェネロン・ファーマシューティカルズ)(NASDAQ: REGN)がSanofi(サノフィ)と共同で開発したPD-1阻害抗体であるLibtayo(R)(セミプリマブ)と併用した、新たに診断された膠芽腫(GBM)患者に対するInovioの第2相試験(NCT03491683)で良好な中間結果が出たと発表した。このデータは、11月6-10日にメリーランド州ナショナルハーバーで開催されるがん免疫学会(SITC)2019年次総会の最新のポスター展示で取り上げられる。

患者52人の臨床試験の主要中間データによると、MGMT遺伝子プロモーター・メチル化患者の80%(20人中16人)、非メチル化患者の75%(32人中24人)が、投与開始から6カ月(PFS6)の時点で無増悪と、過去の標準治療データを大幅に上回った。

PD-1チェックポイント阻害剤とこの免疫療法の組み合わせは、支持的安全性、忍容性、免疫原性データも示し、LibtayoとInovioのプラットフォーム技術と整合性のある許容可能な安全性プロファイルを示唆した。試験に参加した患者の大部分は、INO-5401によってコードされた1つ以上の腫瘍関連抗原に対するT細胞免疫応答を示した。この研究で、3つの腫瘍関連抗原全てに対する免疫応答が実証された。Inovioは来年、12カ月および18カ月の全生存データを報告する予定。

同研究の治験調整責任者で、ダナ・ファーバーがん研究所神経腫瘍学臨床ディレクターであるデビッド・リアドン医学博士は「この革新的な試験は、INO-5401とINO-9012を組み合わせたT細胞活性化免疫療法をチェックポイント阻害薬であるLibtayoと併用することで、治療が非常に困難なこの疾患で臨床的に有意な利益が得られる可能性があるという希望の持てる情報をもたらしてくれた」と語った。

Inovioの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJ・ジョセフ・キム博士は「当社の新しいデータは、がん治療における腫瘍関連抗原を利用した免疫療法の潜在力を示している。このGBM試験の目標は、標準治療、臨床試験のいずれも数十年間、目立った進歩がみられなかった病と向き合っている患者の無増悪生存期間と全生存期間を伸ばすことだ。これまでのGBM試験においては、他のチェックポイント阻害剤治療だけでは標準治療に比べて有意な臨床的利点は示されていなかった。しかし、INO-5401とその抗原特異的T細胞生成能力を加えることで、さっそく無増悪生存期間における有効性シグナルが示された。来年、試験12カ月目と18カ月目の全生存率を含む追加データを報告するのを楽しみにしている」と語った。

ポスターの詳細

ポスター858:INO-5401およびINO-9012の非盲検・多施設試験
新たに診断された膠芽腫(GBM)の被験者へのエレクトロポレーション(EP)によるセミプリマブの併用投与
カテゴリー:最新
日時:11月8日金曜日12時30分から午後2時、11月9日土曜日12時35分から午後2時05分
場所:ポトマックホワイエに展示(全体会議室、ポトマックボールルームの外)

研究設計

本試験は、新たに診断された膠芽腫(GBM)を有する被験者において、放射線および化学療法とLibtayoとの併用によるINO-5401とINO-9012の安全性、免疫原性、予備的有効性を評価するために設計された。これは、評価可能なGBM患者52人を対象に実施された、第1/2相の非盲検・多施設試験である。この試験には2つの集団があった。集団Aは、非メチル化O6メチルグアニン・デオキシリボ核酸(DNA)メチルトランスフェラーゼ(MGMT)プロモーターを有する腫瘍のある参加者。集団Bは、MGMTメチル化プロモーターを有する腫瘍のある参加者、あるいはMGMTステータスが確定していない参加者だった。両集団は同じ用量と同じ投与スケジュールでINO-5401、INO-9012、Libtayoを投与された。両集団は、臨床的に必要であれば、放射線照射やテモゾロミド(TMZ)の投与を受けた。今回およびSITCで展示する中間データは、2019年10月時点で得られたもので、最終研究データの発表は2020年第4四半期の予定。臨床研究の詳細については、www.clinicaltrials.gov 、識別子NCT03491683を参照。

▽膠芽腫(GBM)について
膠芽腫(GBM)は、最も一般的かつ攻撃的なタイプの脳腫瘍で、患者、介護者双方にとって依然として悲惨な疾患である。過去10年間に限られた数の新規治療法が承認されたものの、その予後は極めて悪い。標準治療を受けている患者の全生存期間の中央値は約15カ月で、無増悪生存期間の中央値は約7カ月である。米国におけるGBMの推定年間発生率は1万1362例、または10万人当たり3.21例で、診断時の平均年齢は65歳である。

▽INO-5401およびINO-9012について
INO-5401は、InovioのhTERT、WT1、PSMA用SynCon(R)抗原をコードし、チェックポイント阻害剤との併用で強力ながん免疫療法になる可能性がある。国立がん研究所は既に、重要ながん抗原リストの中でhTERT、WT1、PSMAを強調、がん免疫療法開発にとって優先順位の高い抗原に指定している。これらの3つの抗原は、様々なヒトのがんにおいて過剰発現され、しばしば突然変異することが知られており、これらの抗原を標的とすることでがん患者の治療における有効性が証明される可能性がある。INO-9012は、T細胞免疫活性化因子であるIL-12をコードする。

▽Inovio Pharmaceuticals, Inc.について
Inovioは、がんと感染症を対象とする合成DNA技術の発見、開発、商業化に重点的に取り組む革新的なバイオテクノロジー企業である。Inovioは、独自の技術プラットフォームを抗原のシークエンシングと送達に応用、生体内でのタンパク質発現を可能にし、標的疾患に対する強力な免疫応答を活性化させている。この技術は、標的のがんや病原体に対する強力で完全に機能するT細胞と抗体反応を、絶え間なく活性化することが実証されている。Inovioの最先端臨床プログラムであるVGX-3100は、HPV関連頸部前がんの治療薬として第3相試験に入っている。また、HPV関連のがんとGBMを対象とする免疫腫瘍プログラム開発が第2相試験中で、外部資金によるジカ、MERS(中東呼吸器症候群)、ラッサ熱、HIVのプラットフォーム開発プログラムもある。パートナーおよび協力者には、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Coalition for Epidemic Preparedness Innovations(CEPI)、米国防高等研究計画局、GeneOne Life Science、HIV Vaccines Trial Network、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所(NIH)、国立アレルギー・感染症研究所、Regeneron(リジェネロン)、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。詳細については、www.inovio.com を参照。

▽問い合わせ先

投資家向け
Ben Matone
484-362-0076
ben.matone@inovio.com

メディア向け
Jeff Richardson
267-440-4211
jrichardson@inovio.com

ソース:Inovio Pharmaceuticals, Inc.