野母商船が長崎汽船を吸収合併へ 効率化で12月1日 長崎-伊王島-高島航路

 野母商船(長崎市)は、長崎-伊王島-高島を運航している子会社の長崎汽船(同)を12月1日付で吸収合併することを明らかにした。明治末期創業で1955(昭和30)年から続いた社名が消える。航路やダイヤの変更はない。
 長崎汽船の沿革によると、10(明治43)年に長崎交通船の名称で、長崎港内の大波止-旭町・飽の浦を開設。大正期に港外の福田や三重、伊王島などに航路を拡大した。戦後は長崎自動車に吸収合併されたが、長崎汽船として独立。炭鉱閉山後の利用客減少を受け、76(昭和51)年に野母商船グループで長崎-高島を結んでいた高島商船と合併し、現在の航路となった。
 長崎汽船社長を務める野母商船副社長の村木威夫(たけお)氏は今回の合併について「管理・業務部門の効率化を図り、さらなる安全運航に全力を尽くす」としている。野母商船が全ての権利義務を承継し、長崎汽船は解散する。
 長崎汽船は高速船「鷹巢」(124トン、旅客定員150人)と同「俊寛」(180トン、旅客定員268人)を所有。2018年10月~19年9月の利用客数は17万6千人。野母商船は博多-五島にフェリー「太古」(1598トン、旅客定員350人)を運航するなどしている。

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