東大寺「東塔院」発掘調査

 東大寺の東塔を中心とした区画「東塔院」跡の発掘調査で、創建当時の門の跡が初めて見つかり、鎌倉時代の再建で門の規模が小さくなっていることが分かりました。

 奈良時代に創建された東大寺東塔は1180年の平家の南都焼き討ちで失われ、鎌倉時代に再建されましたが1362年に再び焼失しました。

発掘調査では東塔を囲む回廊と門のうち、東門などで創建当時の基壇が確認されました。

東門の基壇は塔のある西側が鎌倉時代に約1メートル削られていました。

また、唯一残されていた門の礎石は、創建当時のものを加工して鎌倉時代に再利用したと見られます。また、その位置は基壇の縮小により、創建当時より門の中心側に移されていることも分かりました。

これにより鎌倉時代の門の規模は東西およそ5・4メートル、南北およそ11・7メートルと創建当時に比べ、一回り小さくなるということです。

調査団では東塔院の創建時、再建時の全体規模が分かってきたことは大きな成果としています。

なお、5年計画の発掘調査は今年度で終了する予定で、東大寺では今後、盛り土などを行った後、基壇の整備にかかることにしています。

現地説明会は11月10日に行われます。

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