ハトのふん害、タカで解消? 猛禽類を使った“追い払い”

猛禽類を使ったハトの追い払いを試行しているJR戸塚駅のペデストリアンデッキ 

 戸塚駅(横浜市戸塚区)周辺のハトやムクドリによるふん害を解消しようと、戸塚土木事務所がタカなどの猛禽(もうきん)類による追い払いに取り組んでいる。3カ月間の予定で9月末に試行を開始し、タカの姿を見るだけでハトが逃げるなど一定の“効果”が表れ始めている。ただ、餌をあげる人がいると戻ってきてしまうといい、同事務所の担当者は「餌をあげないよう啓発も行いつつ、効果を検証して、ふん害解消につなげたい」と話している。

 同事務所などによると、戸塚駅のペデストリアンデッキは地元で「ハト広場」と呼ばれており、9月下旬の市の調査ではハト60~150羽、ムクドリ100~180羽、スズメ220~360羽を確認。駅利用者からは「手すりがふんまみれで使えない」などと苦情が寄せられている。

 鳥よけのピンや鳥が嫌いな音を流す装置などを設置したが改善されず、所内などからの提案を踏まえ、市内の土木事務所では初めて試行することになった。

 追い払いは週1回ペースで行っている。委託を受けた「ふくろうカフェ福来楼本牧店」(同市中区)の千野力店長らがフクロウのユーラシアワシミミズクやタカのハリスホークなどを伴い、昼前から日没まで駅東西のデッキやバスセンター下などを巡回。ハトなどが集まっているとタカなどを放っている。

 1度逃げたハトは、千野さんらの滞在中は近付いてこないといい、「追い払いを繰り返すことで『天敵がいる』と認識させ、常時近寄らせないようにしたい」と話す。

 課題は人間側にある。工場やマンションなどで猛禽類を使った追い払いを手掛けてきた千野店長は、同駅にハトが集まる要因として水場となる川が近いことに加え、「餌をあげる人がいる」と指摘し、「餌をなくすことが大切だ」と強調する。

 同事務所はこれまでにも餌をあげないよう呼び掛ける看板を設置してきており、担当者は「ビラや声かけなどを通して餌をあげない環境をつくっていきたい」と話している。

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