明大、早大など東京六大学が依然優勢… 過去10年の出身大学別ドラフト指名選手は

ともに明治大学出身の広島・野村、阪神・高山、中日・柳(左から)【写真:荒川祐史】

トップは明大の18人で7選手が1位指名、早大が14人で続く

 NPBでは2010年から2019年までのドラフト会議で1027人が指名された(うち育成で246人、重複指名2人を含む)。これらの指名選手を元所属チーム(学校、社会人、独立リーグ)別に見ていこう。

 この10年間に大学から指名された選手は320人(うち育成71人)いた。

 出身大学ではなく、直接指名された大学別のランキングとしている。入団拒否した選手も含む。その大学の代表的な選手として、上位指名、または現在活躍している3人をピックアップした。所属は指名当時。

1 明治大(東京六大学)18人
野村祐輔(広)、高山俊(神)、柳裕也(中)

2 早稲田大(東京六大学)14人
斎藤佑樹(日)、有原航平(日)、中村奨吾(ロ)

3 亜細亜大(東都大学)13人
東浜巨(ソ)、山崎康晃(De)、九里亜蓮(広)

4 慶應義塾大(東京六大学) 11人
伊藤隼太(神)、福谷浩司(中)、横尾俊建(日)

4 大阪商業大(関西六大学)11人
岡田明丈(広)、吉持亮汰(楽)、太田光(楽)

4 東洋大(東都大学) 11人
藤岡貴裕(ロ)、鈴木大地(ロ)、甲斐野央(ソ)

7 東海大(首都大学) 9人
伊志嶺翔大(ロ)、菅野智之(日、巨)、海野隆司(ソ)

8 國學院大(東都大学)8人
杉浦稔大(ヤ)、柴田竜拓(De)、清水昇(ヤ)

8 白鴎大(関甲新学生) 8人
塚田正義(ソ)、大山悠輔(神)、中塚駿太(西)

10 創価大(東京新大学) 7人
小川泰弘(ヤ)、石川柊太(ソ)、田中正義(ソ)

10 東北福祉大(仙台六大学) 7人
阿部俊人(楽)、佐藤優(中)、楠本泰史(De)

10 富士大(北東北大学) 7人
山川穂高(西)、外崎修汰(西)、多和田真三郎(西)

10 法政大(東京六大学) 7人
三嶋一輝(De)、西浦直亨(ヤ)、石田健大(De)

10 立正大(東都大学) 7人
南昌輝(ロ)、吉田裕太(ロ)、黒木優太(オ)

東北の大学が躍進、東北福祉大に加えて富士大が台頭

 東京六大学の明治大、早稲田大が1、2位を占める。明治大は2011年の野村祐輔(広)から2019年の森下暢仁(広)まで7人のドラフト1位選手を揃える。早稲田大のドラ1は5人だ。早稲田大は他にソフトボール部から2011年ドラフト7位で大嶋匠(日)が入団している。

 東京六大学は、4位に慶應義塾大11人、10位に法政大7人、立教大は5人、東京大は1人だった。

 3位には東都大学の亜細亜大。2012年1位の東浜巨(ソ)、2014年1位の山崎康晃(De)2013年2位の九里亜蓮(広)、2014年2位の薮田和樹(広)と歴代のエースがプロでも活躍した。東都大学では4位タイに東洋大11人。8位に国學院大8人、10位に立正大7人。

 4位タイに関西六大学の大阪商大。2015年ドラ1の岡田明丈(広)らを輩出している。しかし関西勢の凋落が目立つ。東京六大学に次ぐ伝統を持つ関西六大学からは立命館大6人、近畿大3人、関西学院大2人、関西大1人、京都大1人、同志社大は社会人経由はいるものの直接の指名は0人だった。

 代わって台頭しているのが地方の大学リーグだ。その走りともいえる仙台六大学の東北福祉大は金本知憲、矢野燿大らを輩出しているが、ここ10年でも7人。そして北東北大学の富士大学は多和田真三郎、山川穂高、外崎修汰と西武の投打の主力を輩出している。

 大学野球のドラフト勢力図は大きく変わりつつある。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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