諫干請求異議訴訟 差し戻し審 2月初弁論 福岡高裁

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門確定判決を巡り、開門を強制しないよう国が漁業者に求めた請求異議訴訟の差し戻し審について、福岡高裁は7日、第1回口頭弁論の期日を来年2月21日に指定した。
 請求異議訴訟の上告審で、最高裁は9月、開門確定判決を事実上「無効」とした二審福岡高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。同事業を巡っては、堤防閉め切りと漁業被害との因果関係を訴え開門を求める漁業者と、開門に反対する営農者がそれぞれ国を相手に提訴。これまでに「開門」「非開門」の相反する司法判断が確定し、“ねじれ状態”が続いている。
 差し戻し審の弁論期日が決まったことを受け、農林水産省は取材に、「(請求異議訴訟の)控訴審口頭弁論終結(2018年2月)後に、漁獲量の回復など新たに生じた事情変更を追加主張していくことになる」とした。開門派弁護団の馬奈木昭雄弁護団長は「国が言う事実関係を徹底して争う」と話した。

© 株式会社長崎新聞社