【プレミア12】6番坂本→7番丸 侍J稲葉監督が打順に込めた意図「もう1個クリーンナップを」

侍ジャパンの巨人・坂本勇人と丸佳浩(左から)【写真:Getty Images】

7日のチャイニーズ・タイペイ戦で坂本が2戦連続安打、丸は大会初安打

■日本 8-1 チャイニーズ・タイペイ(プレミア12・7日・台湾)

 野球日本代表「侍ジャパン」は7日、台湾・台中市の台中インターコンチネンタル野球場で「WBSC プレミア12」オープニングラウンド第3戦のチャイニーズ・タイペイ戦に8-1で勝利し、B組1位で11日からのスーパーラウンド進出を決めた。4番の鈴木誠也が初回に先制打、3回には2戦連発の2ランを放つなど3安打4打点と活躍。丸佳浩外野手にも大会初安打となるタイムリーが飛び出し、終わってみれば大会初2桁安打となる11安打で8点を奪った。

 3連勝を飾りB組首位でオープニングラウンドの突破を決めた侍ジャパン。打線に元気が出てきての大勝に稲葉篤紀監督も「この3試合を通して打撃陣が非常にいい状態にきてくれた。投手はもともとみんないいので、このまま継続してやってくれればいい」と、投打両面に手応えを感じていた様子だった。

 ベネズエラ、プエルトリコ、そしてチャイニーズ・タイペイと戦ってきたオープニングラウンド。最後の第3戦ではようやく丸に初めての快音が響いた。秋山翔吾外野手の骨折、離脱により追加招集された丸。台湾での合流となり実戦機会がないまま、“ぶっつけ本番”で本大会を迎えていた。

 6回の第3打席。エラーで出塁した坂本勇人内野手を一塁に置き、放った打球は中堅の頭上を超えた。一塁から一気に坂本が生還し、この試合5点目を奪った。丸にとっては大会11打席目で飛び出した初安打だった。

 この一打に、試合後、稲葉監督は「大きいですね。いい当たりもあった中でヒットに結びつかなかった。タイムリーで中押しでしたので大きかった」と目を細めた。チームでただ1人、中堅を本職とするだけに、スーパーラウンドを前に当たりが出たことは好材料だ。

 この日は坂本も8回の第4打席で中前安打を放ち、2試合連続安打。ベネズエラ戦では1番で起用されながらノーヒット。8回のチャンスでは代打を送られた。第2戦のプエルトリコ戦では6番に打順を下げ、この日も同じ6番だった。

 6番に坂本、そして7番に丸を2試合連続で並べた稲葉監督。実は、この並びにはある意図を込めていた。今季、セ・リーグを制覇した巨人では2番に坂本、そして3番に丸が入るのが基本のオーダーだった。打順こそ違えど、坂本→丸の並びを意図して作ったのだという。

「巨人の並びというのはありました。2番、3番を6番、7番にして、もう1個、クリーンナップを作れないかと思っていました。なんとかキッカケを作ってくれたらと思っていた。ヒットが出ましたし、打線にも大きい」

 山田哲人から始まり、菊池涼介、近藤健介、鈴木誠也と並ぶ1番から4番。そこから坂本と丸を2番、3番に見立てて、また新たに打線を構築する。難敵ひしめく国際大会で、出来るだけ多く点を取れるようにと考えた策だった。

 坂本、丸に当たりが出たこともあり、オープニングラウンド第3戦は11安打で8得点を奪い取った。さらに1勝を持ったまま、スーパーラウンドに臨める。復調気配を感じさせる侍ジャパン打線。稲葉監督による“Wクリーンナップ”が、スーパーラウンドでも機能することを期待したい。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

© 株式会社Creative2