【特集】上下水道の将来をみすえて(1)

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■まちを支える水の現場から
市の上下水道の将来像を考え目指すべき方向性を示した「河内長野市上下水道ビジョン」を3月に策定しました。
その一部をお知らせし、私たちの暮らしに不可欠な水のインフラを支える官民連携の現場を紹介します。

◆上下水道の未来ビジョンから見えること
○蛇口から出る水はどこから
本市では、滝畑ダムを水源とする日野浄水場、河川から取水する西代・三日市・石見川の各浄水場で、全体の約7割の水道水を供給しています。また、残りの3割は淀川を水源とする大阪広域水道企業団から購入しています。

・これからも安心な水を
今後は、水需要の減少にあわせて、安全性やエネルギー効率などに配慮しながら施設のダウンサイジングを進めます。
例えば、施設の更新が課題となっている西代浄水場と三日市浄水場を将来的に廃止とし、日野浄水場の更新に力を入れていきます。

・浄水場で作られた水は
水道水は市内55か所の送配水施設を通り利用者に送られています。市内の配水池や水道管の多くは昭和40~50年代に設置されたもので、浄水場と同様に老朽化が進んでいます。
そこで、令和5年度末までに、現在から約20キロメートルを目標に水道管の更新・耐震化を進めていきます。

○快適な生活環境を支える下水道
家庭や工場などから出される汚水は、地中に埋められた下水道管を通り、下流にある処理施設に流れ込みます。汚水の多くは、府が運営する狭山水みらいセンター(大阪狭山市)で処理され、きれいな水となって川や海へ放流されています。

・本市の下水道は
公共下水道の区域では、令和6年度の完了を目指して整備を進めています。また、公共下水道の区域外では、市が各戸ごとに浄化槽を設置し使用料を徴収する公設浄化槽の設置を進めています。これらの取り組みにより、平成30年度末の汚水処理整備率は約94%に達しました。

・下水道施設の老朽化
現在、市内には約400キロの下水道管が敷設されており、汚水を中継するマンホール形式の中継ポンプが約140基設置されています。
中でも、昭和40年ごろに開発された住宅団地では、下水道管やポンプなどの老朽化が懸念されています。万が一これらが破損・故障すると、道路陥没や、汚水が道路にあふれて通行できなくなるなど、生活に支障をきたします。
そのため、下水道に不具合が発生した場合、速やかに対応できる体制づくりや、施設の寿命を延ばす維持管理に努めています。

○官民連携で良質なサービスを
人口減少にともない、料金・使用料の減収が見込まれる中で、組織をコンパクトにしながら、効率的でより良質なサービスが求められています。
一方で、担い手となる市の技術職員の数が十分ではない状況で、今後の老朽施設の更新や大規模災害に対応していかなければなりません。
そこで、あらかじめ定めた仕様に基づき個々に発注を行う方式ではなく、複数施設や複数業務を一体的に企業に任せる「包括的民間委託」を進め、民間企業の技術力や創意工夫の発揮など企業ノウハウを活かしていきます。

◆官と民の長所を活かして
市では、民間企業の技術力や創意工夫を活かすため、上下水道のいくつかの業務で、包括的民間委託を進めています。
そんな水の現場で働く人たちにお話を聞きました。

◇[上水道インタビュー]全国展開の企業力で
株式会社ウォーターエージェンシー 所長 中山和昭(かずあき)さん
ーどのような体制で業務を受託していますか
弊社は全国規模の企業で、平成18年度から、水道施設の維持管理を受託しています。
現在は40人体制で、24時間365日、市内4か所の浄水場と55か所の送配水施設の運転管理や設備保全などを行っています。

ー普段は、どのような業務を行っていますか
河川やダムから水を取り込む取水管理や水質管理、様々な機器設備の点検、事故や故障の緊急対応や修繕、薬品の調達などを行っています。
例えば、日野浄水場では約3・7キロ離れた滝畑ダムから水が届きます。その水から、活性炭処理でカビ臭物質などを除去し、次に凝集剤を入れてにごりを集めて沈殿させ、砂ろ過を通し、次亜塩素酸ナトリウムを注入して、飲み水を作っています。日野浄水場では市内の給水量の約半分をまかなっているほか、富田林市へも送水しています。
また、地域の小学4年生が毎年浄水場に社会見学に来てくれますので、その対応も行っています。

ーこれまで、どんな苦労がありましたか
今年はカビ臭を発生するプランクトンが多く、脱臭処理に気を遣いました。薬品の注入量は多くても少なくてもダメで、水質状況の変化に応じて細かく調節しています。
また、市内には山間部が多く、いたるところにポンプが設置されていて、故障などがあった際には、すぐに現場へ走らなければなりません。その拠点となる西代浄水場では、夜間窓口も受託していますので、水が出ない、漏れているといった緊急連絡も受けています。

ー災害が起こった際には、どんな活動を行いますか
昨年の台風21号で被害が発生した時は、電線が切れたままの現場にも直面しました。ポンプなど電気に頼る機器が多いので、停電の間は、市の職員と一緒に給水車などで給水活動も行いました。

ーこれからの抱負を
水道は市民生活に欠かせない重要なインフラで、安全にもっとも注意を払っています。
弊社は60年以上にわたって水に関する事業に携わっています。その技術とノウハウを活かし、市の職員の経験も吸収しながら、水道事業の安定的な運営を継続します。