「東京での生活に悲鳴」 心臓移植施設ない沖縄 経済支援求めて署名活動 患者と家族支える団体

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記者会見する「芭蕉の会」の安里猛会長(中央)と森智秀副会長(左)、琉球大学医学部付属病院第二外科の國吉幸男教授=7日、西原町・琉大医学部

 心臓移植の患者と家族を支える会「芭蕉(ばしょう)の会」は7日、心臓移植を受ける県民の患者と付添人の本土での宿泊費の予算確保と支援制度の創設を求める署名活動を始めたと発表した。琉球大学医学部で記者会見した元宜野湾市長の安里猛会長(67)は「沖縄県が手を差し伸べられるような制度の実現を求めていきたい」と述べ、1万人を目標に集めた上で、県や県議会に要請する方針を示した。同時に、患者や家族を経済的に支援するための募金への協力を広く呼び掛けた。

 芭蕉の会は、琉大病院を経て本土の病院で心臓移植手術を受けた患者・家族や医療スタッフで構成。移植実施施設がない沖縄の患者が、本土で入院・療養する際の経済的負担の軽減を目指し活動する。琉大病院第二外科の稲福斉講師によると、沖縄の患者が東京都内で手術し1年ほど療養する場合、地続きで通える本土の患者より、滞在費などで250万~300万円多くかかるとの試算もある。

 末期心不全から5年前に心臓移植を受け命をつないだ安里さんは、現在都内で術後療養中の沖縄の男性患者に触れ「東京での生活に悲鳴を上げている」と話す。県内では年1~2人が新たに移植待機者となる状況があり、募金は500万円を目標に集めて基金をつくり、第3者委員会で支援対象者や支援額などを話し合うことを想定している。