ワークマン 売上高約5割増、2025年に1,000店舗体制へ意欲

 ワークウェアや作業用品のフランチャイズチェーン店「WORKMAN」などを展開する(株)ワークマン(TSR企業コード:270196900、JASDAQ)は11月7日、2020年3月期第2四半期の決算説明会を都内で開催した。
 説明会には小濱英之・代表取締役社長のほか、飯塚幸孝・取締役(財務担当)らが出席。報道関係者など約100名以上が参加した。
 2020年3月期第2四半期(非連結・累計)は、売上高が418億8,600万円(前年同期比45.2%増)、営業利益は86億4,200万円(同55.1%増)と続伸した。会見で小濱社長は、「高機能PB商品とその認知度の高まりが好調な業績に繋がった」との認識を示した。
 9月末時点で、宮崎県を除く46都道府県に848店を展開。直営店は53店舗のみで、フランチャイズ(FC)店が全体の93.7%にのぼり、FC店がワークマンの業績を支えている。

業績好調の背景

 ワークマンは、(株)ベイシア(TSR企業コード:270228420)や(株)カインズ(TSR企業コード:270367896)などで形成する流通大手のベイシアグループに属している。
 8月の猛暑で「空調ファン付作業服」など猛暑関連商品が、好調に推移。8月の売上高は前年同月比54.7%増となった。
 このような機能性や価格を追求したPB商品の強化を図っている。PB商品数を947アイテム(前年同期比206アイテム増)まで押し上げ、第2四半期では売上高の5割近く(44.0%)がPB関連となった。
 また、雨や雪、強風など過酷な環境を再現し「過酷ファッションショー」を開催。話題を集め、知名度やブランドイメージが高まったことでプラスとなった。
 第2四半期末の総資産は874億8,930万円なのに対して、現預金は387億9,253万円。借入金は13億5,000万円で、実質無借金を継続。自己資本比率は79.7%と高水準を維持している。

今後の見通しと狙い

 ワークマンは、今期計画の1つとして新業態の“ワークマンプラスの伸展”を挙げている。小濱社長は「下期の新規出店は全てワークマンプラス。2025年には、(全業態で)1,000店舗を達成したい」と店舗網拡大への意欲を見せた。

 また、2020年3月期決算(通期)の進捗について、「順調に推移している。全社一丸となって9期連続の過去最高益達成を目指す」(小濱社長)と力強く述べた。
 課題は、シーズン商品の構成比が高まり、予測が困難となっていることだ。また、店舗数の急拡大で「売り切れ」が発生しているという。そのため、需要予測発注システムの全店導入を進めていく。

 10月からの消費増税の影響はどこ吹く風。レインウェアや秋冬商品が伸長し、10月の売上高は前年同月比30.1%増と消費増税の反動減はみられなかった。
 高機能で低価格のPB商品でプロだけでなく、一般客や女性客を引き付けている。課題をクリアし順調に業績を伸ばし続けるのか、急拡大に意外な落とし穴が隠れていないのか、今後の経営に注目が集まっている。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年11月11日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

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