一般社団法人シンプルライフ協会、ドローンで直播き栽培された新種米「N.330」サンプル出荷開始

一般社団法人シンプルライフ協会は、ドローンで直播き栽培された新種米「N.330(仮称)」のサンプルを出荷開始する。1kgは税別1,200円、2kgは税別2,100円でともに送料別。販売数量は限定少数で販売開始までに決定するとしている。なお、産地指定銘柄ではないため品種名は「その他」と記載している。

一般社団法人シンプルライフ協会の副理事でもある農業法人市川農場の市川範之氏は、国立研究開発法人北海道農業研究センターと直播きで栽培可能な極良食味米の新品種を共同研究中だという。

今までの栽培方法は、冬の時期にビニールハウスで稲の苗を育て、春先に田んぼに植えていくスタイルだったが、今回開発された新品種は、田んぼに直接種を播くことでも成長して根付き、田植え作業の省略化も進められることが実証された。

今回は市川農場の1000m2を使いドローンで種を散布し栽培したが、他の田んぼと変わらない収穫高があったという。これは作業の効率化だけではなく、農機具の簡素化、生産コストダウンにも繋がるとしている。

苗を栽培せずに直播きするには、散布用のドローンの投資(約200万円位)だけで済むほか、ビニールハウスを建てる場所(土地)、ハウスでの栽培コスト、重農機具への投資がいらないなど、コストカットが見込まれるとしている。また、ドローンを使うことによって種の散布にムラが出来づらいのもメリットになるという。

同協会は、新品種は棚田や大型機具の入って行きづらい場所や、都市菜園での栽培を可能にし、より身近に米を作れる可能性が広がるとしている。また、直播きは以前から取り組みはあり、根付きを良くするために種に鉄分をコーティングするなどの工夫がされていたが、現在研究中の直播農法ではその作業の必要はないとしている。

新品種の食感はモチモチしていて、味は非常にあっさりしているという。食味ランク「特A」を持つ北海道産「ゆめぴりか」と同じ遺伝子を持ち、粘りが強く、冷めてもあまり食味が低下しない「低アミロース米」となる。

なお、販売サイトは、同協会の公式ECサイトに2019年11月15日にオープンする。

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