台風被災地を支援、「ふっこう割」で宿泊費など最大5,000円補助 JRも北陸新幹線などがお得なきっぷを設定

画像:国土交通省

観光需要喚起に29億円

政府は2019年11月8日、国土交通省予備費使用について閣議決定しました。令和元年度予備費使用額はおよそ92億円。内訳は以下の通りです。

(1)災害を受けた河川等において、国が施行する河川維持修繕事業及び砂防災害関連緊急事業に要する経費(63億円)

国管理河川の阿武隈川、鳴瀬川、多摩川などの25河川において施設機能に支障を与えないよう河川に堆積した大量のごみなどを除去したり、土砂の流出による二次被害を防ぐために使用されるものです。阿武隈川水系内川流域及び利根川水系吾妻川流域においては、床固工やワイヤーネット工等が実施されます。

(2)被災地域における旅行需要を喚起するため、県等が行う観光支援等に要する経費(29億円)

災害に起因するキャンセルが発生している被災地域における観光需要を喚起するために使用されます。2018年に発生した北海道胆振東部地震を受けて実施された「ふっこう割」のように値引きが受けられるほか、国外旅行者を対象とするプロモーションも行われます。

旅行・宿泊料金割引の仕組みとしては、まず観光庁が県等に補助金を交付、それを受けた県等は旅行業者・宿泊事業者・OTA(インターネット上で取引を行う旅行業者)が低廉な料金で旅行・宿泊商品を販売するにあたりその差額を支援するという流れになります。こうして被災地域における一泊以上の旅行・宿泊商品を対象に、旅行・宿泊料金を一人泊あたり最大5,000円の値引きが可能になります。

岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県の各都県に対しては、域内に所在する災害救助法の適用市町村のキャンセル数を基に補助金を交付。各都県においては、域内各地域の被災・復旧状況等を踏まえ柔軟に執行されます。

観光需要回復にお得なきっぷも設定 JR東は「お先にトクだ値」で攻める

JRはお得なきっぷを設定することで被災地の観光需要回復を図ります。

JR東日本は東京方面から房総方面へ向かう特急列車に「お先にトクだ値スペシャル(乗車券つき)」(50%割引)を設定。

えきねっと会員限定ですが、「わかしお・新宿わかしお」「さざなみ・新宿さざなみ」「しおさい」などの普通車指定席の運賃と料金がおよそ半額になります。

画像:JR東日本

こちらのご利用期間は2019年12月1日(日)~2020年1月31日(金)まで(12月27日(金)~1月5日(日)までを除く)となっています。発売期間は乗車日の1ヶ月前の午前10時から20日前の午前1時40分まで。

また、11月6日(水)に北陸新幹線「かがやき」「はくたか」に「お先にトクだ値(乗車券つき)」(30%)を期間限定で設定することも発表。

画像:JR東日本

設定区間は東京~金沢・富山・上越妙高・飯山。利用期間は2019年12月17日(火)から12月25日(水)までと2020年1月6日(月)から1月15日(水)まで。いずれも乗車日の1ヶ月前の午前10時から13日前の午前1時40分まで購入可能です。

さらに、被災地でボランティアなど復興支援にあたる方々を対象に、被災地から帰る際に利用できる「やまびこ・なすの自由席片道きっぷ」および「あさま自由席片道きっぷ」も発売。

被災地から東京までの片道タイプ&自由席限定ではありますが、盛岡、仙台、白石蔵王、福島、郡山および長野から東京(都区内)までの片道を通常のおよそ50%割引で利用できます。

画像:JR東日本

発売期間は2019年11月15日(金)~2019年12月15日(日)、利用期間は2019年11月15日(金)~2019年12月15日(日)。利用日当日も発売します。「やまびこ」「なすの」「あさま」以外の列車や指定席に乗車する場合は無効、また小児用の設定はありません。

JR西はe5489専用「WEB早特14」から

JR西日本はインターネット予約「e5489」で「かがやき」「はくたか」など北陸新幹線全列車の普通車指定席を30%割引で発売します。

画像:JR西日本

主な区間は金沢・新富岡・富山~東京(都区内)・長野ですが、上野や大宮なども含めた区間も設定されています。

利用期間

(1)2019年12月17日(火)~25日(水)まで
(2)2020年1月6日(月)から15日(水)まで

発売期間

(1)2019年11月17日(日)から12月11日(水)まで
(2)2019年12月6日(金)から2020年1月1日(水)まで

利用日の1カ月前の10時から14日前の23時30分までの発売となりますが、e5489事前申込サービスを使えば、発売開始日(乗車日1カ月月前)のさらに7日前から申し込むことも可能です。

鉄道チャンネル編集部

© 株式会社エキスプレス