夜の無人島、光の祭典 猿島でナイトアートイベント初開催

砂浜に光を描くインスタレーション=横須賀市猿島

 東京湾に浮かぶ無人島の猿島(横須賀市)で12月1日までの毎週木曜から日曜日、普段は入れない夜の島全体を会場としたアートイベントが開かれている。夜間の猿島ではこれまで野外音楽イベントが開催されているが、島全体を使った催しは今回が初めてといい、関係者は「芸術の舞台としても猿島が親しまれるようになれば」と期待している。

 イベントは「Sence Island -感覚の島-暗闇の美術島」。市や横須賀商工会議所、京急電鉄でつくる横須賀都市魅力創造発進実行委員会の主催で、芸術を通じて猿島の魅力を知ってもらおうと、今年初めて企画した。

 国内外のアーティスト11組が参加。光を題材にした作品などが趣向を凝らし配置されている。ビーチでは砂浜に光を描いたインスタレーション(空間的芸術)が来場者を出迎え、旧日本軍の弾薬庫跡内では張り巡らせた糸に光を当て、サルの形を浮かび上がらせている。

 島の高所に大型ライトを設置し、日蓮にまつわる島の伝説を再現。ろうそくの光だけを頼りに旧日本軍のトンネルを歩くなど、島内の暗闇を実際に体験する形で楽しんでもらえるよう、工夫している。

 7日夜には、県内外から女性やカップルらが来場し非日常を楽しんだ。東京都から友人と2人で訪れた女性(33)は「視覚に頼らず、足や耳の感覚だけを頼りに進む体験が新鮮だった」と話した。実行委によると、7日までに約1200人が来場したという。

 時間は午後5時半~9時半。チケットは、インターネットを通じて購入。乗船料込みで、大人3500円、中学生以下は2350円。横須賀市民はそれぞれ1850円、700円に割り引きになる。問い合わせは、実行委電話046(822)9284。

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