ユニークポスターで「仏壇通り」PR 店主の“人柄”“人生観”を表現 被災の飯山「元気づけたい」 長野

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長野県飯山市で「仏壇通り」を盛り上げようと、仏壇店をPRするユニークなポスターコンテストが開催されています。台風19号の被害を受けて自粛も検討されましたが「地域を元気づけよう」と実施されました。

雪よけの「雁木」が連なる飯山市の「雁木通り」。次々と大きなポスターが店先に貼られていきます。

プロレスラーに、温泉に浸かる猿。

実は全て、仏壇店のポスター。キャッチコピーは店主の「人柄」や「人生観」を表しています

明石佛壇店・明石洋一社長:

「見つめなおすことができるかなと、人生は。そのきっかけが仏壇になってもらえればいいなと」

仏壇店の店主たちが考えたPR作戦に密着しました。

雁木通りは多くの仏壇店が軒を連ね「仏壇通り」とも呼ばれています。雪深い飯山では冬の仕事として、古くから「仏壇作り」が盛んで1975年には国指定の伝統工芸品に選ばれています。

かつては飯山を代表する産業のひとつでしたが・・・。

仏壇店:

「先輩方に言わせると、大きな仏壇が売れなくなったと」

ライフスタイルの変化や「仏間」を置かない家が増えたことなどから仏壇の需要が減り以前、40軒以上あった仏壇店は10軒余りに。

そこで通りを盛り上げようと「仏壇通り」の店主たちが動き出しました。まずイベントなどでPRするアンバサダーを起用。

飯山仏壇通りアンバサダー・深川麻衣さん:

「飯山市、飯山仏壇の良さを皆さんに伝えていきたい」

映画に仏壇が使われたことが縁となり、アイドルグループ乃木坂46の元メンバーで女優の深川麻衣さんがアンバサダーに就任しました。

そして第2弾がポスターによるPRです。今、各地で店や地域の特色を飾らず率直に表現する「自虐PR」が注目されています。そこで通りに足を運んでもらおうとデザイナーを交えて店ごとにユニークなポスターを作り人気コンテストを開催することにしました。

飯山仏壇事業協同組合・上海一徳理事長:

「みんな特徴を捉えていて、バラエティーに富んでいておもしろいなと。飯山のこういった一面も見てもらって飯山に訪れていただけたらいいなと」

ポスターは店主の「人柄」や「人生観」が表すものに決まりました。

こちらは37歳の鷲森秀樹さん。創業160年以上という「神仏の鷲森」の専務です。

神仏の鷲森・鷲森秀樹専務:

「説明書というか作り方というのがなくて、前からあるものを見て覚えるみたいなところが大変で」

鷲森さんが仏壇作りを始めたのは23歳のとき。それまでアパレル関係の仕事に就いていましが、父・利明さんが他界し、店を継ぎました。仏壇を作り始めてまだ14年・・・。

キャッチコピーには「現在の自分」を投影しました。

神仏の鷲森・鷲森秀樹専務:

「小さいときはこういう工場は遊び場だったが、全然知らないところからのスタートで。専務という立場ですけど、社内の人はみんな年上で親方衆ばかりで、怒られながら体に日々しみこませて、ずっと“修行”ですね」

キャッチコピーが決まれば次は写真撮影。

神仏の鷲森・鷲森秀樹専務:

「こんな感じかな?」

どうやらイメージは逆立ちをした男性のようです。

デザイナー:

「飯山仏壇を盛り上げようというインパクトある1枚を選ばなければいけないと。その“修行”だというのでこれ(逆立ち)にぶち当たって」

ポスターの制作が進む中、予期せぬことが起こりました。

台風19号の大雨で千曲川の支流・皿川が氾濫。市街地を中心に600棟以上が浸水被害に。仏壇通りは被害は免れました。あまりの被害の大きさにコンテストの「自粛」も検討されましたが・・・。

神仏の鷲森・鷲森秀樹専務:

「少し災害以降、この地域は元気がなかったが、これから日常の生活を取り戻すためにも、住んでいる僕たちが率先して明るくしていくべきだなと」

仏壇通りが活気づけば地域も元気になると信じ、店主たちはコンテストを継続しました。

当日。

神仏の鷲森・鷲森秀樹専務:

「完成を見てないので楽しみ。どうなったのかなと」

いよいよポスターのお披露目です。

神仏の鷲森・鷲森秀樹専務:

「本当にうまくつくってもらって、修行をしているような顔ということでおもしろいですね。仏壇店でこういうことやっているのがいいですね」

参加したのは仏壇店8店。8枚のオリジナルポスターが掲示されました。

キャッチコピーは店主の人柄・人生感を率直に表現していますが写真の多くは合成です。

松本仏壇店・松本文彦差社長:

「プロレスを観戦に行くといろんな意味でパワー、元気をもらって帰ってくる。飯山も大変な時期になっているけど、愛宕町(雁木通り)からパワーを送って飯山を元気にしていけたら」

こちらは店主夫婦のキスマーク。

春栄堂・高橋政宏社長

「もし片割れが亡くなったとしても、お仏壇にお話しし合うというか、仏壇も大切にできるかなと」

インターネットや特設のポストによる投票は今月15日まで。結果発表は21日です。

神仏の鷲森・鷲森秀樹専務:

「これをきっかけにもっともっとポスターで面白いこともできるので、いろんなチャレンジをして飯山仏壇の良さをいろいろな形で発信できれば」

明るく前向きに。仏壇通りに新たな風が吹き始めました。

(動画は冒頭部分の抜粋)