セキュアな専用回線網に対応した日本初の自治体専用チャットツール「LoGoチャット」が登場

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去る11月1日、東京・大手町のサンケイプラザで、国内初の自治体専用チャットツール「LoGo(ロゴ)チャット」の記者発表会が開かれた。

同ツールを開発したのは、株式会社トラストバンク。同社は2012年にふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を立ち上げ、日本全国の地方自治体の8割を超える約1500自治体と契約を結び、20万点を超えるお礼の品を扱う国内最大のふるさと納税情報サイトに育て上げた実績を持つ。

発表会では最初に、同社代表の須永珠代氏が登壇。「ふるさとチョイス」の成功をベースに自治体支援事業を拡大してきた同社の歴史と、さらに今後、リソース不足が進展していく地方自治体業務の改善・効率化をICTで支援する「パブリテック(パブリック+テクノロジー)事業」を拡大していくビジョンが語られた。

次に、同社取締役の木澤真澄氏から「LoGoチャット」の特徴について詳細な解説があった。サービス名の「LoGo」とはLocal Government、つまり地方自治体の略であるが、同サービスが地方自治体専用として持つ特徴のひとつは「LGWAN-ASP」に対応していることだ。

LGWANとは、地方公共団体情報システム機構が運営する総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)のこと。これはインターネットとは切り離された行政専用の通信ネットワークであるため、自治体内、あるいは異なる自治体間での安全な情報流通が可能になる。また、LGWANを通じて地方公共団体にサービスを提供する仕組みがLGWAN-ASPである。

広く普及しているチャットワークやslackなど、インターネット上で動くチャットツールは、外部からの攻撃による情報漏洩などの危険性が排除できない。その点、LoGoチャットは、物理的にインターネットから切り離されたLGWANで情報をやり取りするため安全性がはるかに高い。住民の個人情報を扱う地方自治体だからこそ求められる安全レベルの高さであり、その回線に対応していることが「LoGoチャット」の大きな特徴だ。(なお、インターネットからの利用にも対応している)。

日本の地方自治体は、過去24年間で55万人もの職員が削減されており、1人の職員がいくつもの業務を兼任し多忙を極めていることもめずらしくない。少子高齢化の進展により、今後この傾向はますます強まるだろう。そのため「LoGoチャット」のようなICTツールの活用による業務効率化は喫緊の課題であり、自治体関係者からも注目を集めている。

発表会の最後には、「LoGoチャット」をトライアル導入して実証実験をしている埼玉県深谷市役所の齋藤理栄氏、福島県伊達市役所の幕田典昭氏、および北海道北広島市役所の寺岡純氏が順に登壇し、導入成果についての報告がおこなわれた。

いずれの自治体でも、コミュニケーションの円滑化や業務効率化や人件費削減などの効果が実感されており、トライアル終了後は本導入が検討されるという。チャットツールが業務効率化に資することは、民間企業の多くが導入していることでも証明済みだが、トラストバンクの資料によると、チャットツール導入により職員1人あたり1日27分、年間約150時間の無駄な業務削減が可能だというので、決して小さな効果ではないだろう。

なお、同サービスの利用料金は、1アカウントあたり月額400円から(アカウント数によって異なる)。だたし現在は、無料トライアルが可能であり、すでに36自治体がトライアル導入を実施している。

自治体職員の業務が効率化され余力が生まれれば、その分、住民サービスや災害対策などの向上につながるはず。すべての住民にとって恩恵がある業務効率化のため、全国の自治体で「LoGoチャット」をはじめとしたICTツールの導入が増加していきそうだ。