インフルエンザ治療に使える「麻黄湯」 解熱効果はタミフルより上

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インフルエンザの治療に漢方薬も保険適用(写真はイメージ)

【漢方の意外な実力】麻黄湯

インフルエンザが、流行し始めています。その治療薬はタミフルやリレンザ、イナビル、ラピアクタ、ゾフルーザがありますが、漢方薬も保険適用されているのをご存じでしょうか。

インフルエンザの治療に使える漢方薬は、麻黄湯、柴胡桂枝湯、竹筎温胆湯の3種類。中でもポピュラーなのは、麻黄湯でしょう。ドラッグストアで市販薬が売られていますから、利用したことがある人もいるでしょう。

2007年の研究で、「タミフル単独」「タミフルと麻黄湯を併用」「麻黄湯単独」の3グループに分けて追跡したところ、「タミフル単独」と比べて麻黄湯を使用した2グループは、どちらも発熱時間が有意に短縮していました。

12年の研究では「麻黄湯」「タミフル」「リレンザ」の3グループで追跡。麻黄湯の発熱時間は、タミフルより有意に短かったものの、リレンザとは有意差なしの結果に。

こうした研究報告から麻黄湯は、少なくともタミフルより効果的ということが言えるでしょう。リレンザほかの薬については検討が必要ですが、麻黄湯は耐性問題がありませんから、その効果は侮れません。

タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスが増殖にかかわる酵素として知られるノイラミニダーゼの働きを阻害することで治療に結びつけています。

一方、麻黄湯は人間の免疫力を高めて、抗ウイルス効果を発揮。耐性問題がないのはそのためで、タミフルのような副作用リスクも少ないといえます。ただし、使い方に工夫が必要です。漢方薬は、単に病状だけでなくて、「証」という体質によって薬を使い分けます。

その麻黄湯は、風邪や初期のインフルエンザのほか、喘息にも保険適用がありますが、急な高熱と筋肉痛、寒けなどの症状があるものの、発汗がない人に使います。体力がある人に使い、体力がない人には不向きなのです。

同じような症状で、汗をかいて熱っぽく、寒けや頭痛があるようなときは柴胡桂枝湯です。こちらは、体力がない人に向いています。これらの薬でよくなったら、竹筎温胆湯へ。漢方薬は、段階に応じた使い分けも大切です。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)