もっとメジャーに 12月1日初開催「かんころフェス」 新上五島

かんころフェスを企画した松尾さん=新上五島町、県五島振興局青方庁舎

 五島列島の伝統食、かんころ餅の振興を目的とした「かんころフェス」が12月1日、新上五島町で初めて開かれる。県や町内の農業者らでつくる実行委が、かんころ餅の製造コンテストなどを企画。発案者で県五島振興局農業振興普及課の職員、松尾祐輝さん(34)は「来場した人たちに、関心を持ってもらうことから始めたい」と語った。
 松尾さんは長崎市出身。自然が好きで農家の人を手助けしたいと、2008年4月入庁した。諫早市などで勤務し、野菜の生育方法などを農家に助言。新上五島町ではトウガラシやサツマイモなどの栽培に携わっている。
 町内の江袋地区など斜面地では、かんころ餅の原料となる干し芋(かんころ)作りの設備が目につく。しかし、人口減や農業者の高齢化で原料のサツマイモの生産量は減少。昨年4月、同町駐在の職員として赴任した松尾さんは、地域の現状を知り、伝統食として継承を図ろうと同フェスを提案した。
 コンテストは、かんころ餅の味付けや原料の産地、出品者の住所などは問わない。実行委による事前審査と当日の来場者の試食で競う。申し込みは自家製か委託製造した餅を応募。出品料は無料で、上位3位までは特産品の詰め合わせが贈られる。11月22日必着。
 フェスは12月1日午前9時から、青方郷の町石油備蓄記念会館で開き、かんころ餅の製造体験コーナーなどもある。
 松尾さんは「生産量の増加につながれば県外への出荷も期待できる。ちゃんぽんやカステラのようなメジャーな特産品にしたい」と展望を話した。問い合わせは実行委事務局(電0959.52.8175)。

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