日本舞踊の魅力 伝えたい 花柳流20代2人 師範に昇格

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踊りに対する思いなどを語り合う花柳太穂奈美さん(左)と花柳太藺理さん=長崎ブリックホール

 日本舞踊の最大流派、花柳流。長崎で流派を伝える銀扇会(花柳昌太女(しょうため)代表・約70人)の門下生、花柳太穂奈美(たほなみ)さん(27)、太藺理(たいり)さん(23)の2人が、難関といわれる専門部試験に合格し師範に昇格。20日、長崎市茂里町の長崎ブリックホールで開かれた同会の舞踊会で、師範披露の舞台に上がった。同会では現在7人の師範がいるが、20代はこの2人だけ。伝統芸能の若き後継者として、今後の活躍に期待が寄せられている。
 花柳流の師範試験は、流派の芸名をもらえる名取の資格を得たのちに受験可能。家元らの前で課題曲の舞踊を披露し、厳しく審査される。師範になれば自分の教室を持ち弟子を取ることができる。太穂奈美さんは2016年、太藺理さんは17年にそれぞれ受験、合格した。
 太穂奈美さんは長崎市出身。同市内の幼稚園に通っていたころ、舞踊を教えるため園に来た昌太女さんと出会い、踊りの楽しさを知った。高校1年で名取試験に合格。本格的に踊りに取り組むため高校卒業後に上京し、2代目花柳昌太朗さんに師事。師範試験に合格した時の事を「けいこが厳しかったので、うれしくて泣きそうだった」と振り返る。
 太藺理さんは西彼時津町出身。花柳流の名取でもある母親に連れられ、3歳のころから舞踊教室に通い始めた。高校1年生のとき名取試験に合格し、昌太女さんの下で習練に励んだ。師範に昇格し「20年近い努力が実を結んで、ほっとした」と話す。
 20日の舞踊会では、太穂奈美さんが長唄「京(きょう)鹿子(がのこ)娘道成寺(むすめどうじょうじ)」を披露。若い娘の恋心を華麗な踊りで表現した。色とりどりの衣装や小道具も観客の目を引いた。太藺理さんは長唄「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」を演じ、終盤は能仕立ての豪快な獅子の舞で客席を圧倒。昌太女さんは「どちらも長丁場の舞台だったが、見事に演じきってくれた。成長がうれしく、頼もしい」と話した。
 幼いころから花柳流の教室で踊りを通じ、姉妹のように育った2人。今後について太穂奈美さんは「いろんな役に挑戦し、幅広い世代のお客さまに日本舞踊の魅力を伝えたい」、太藺理さんは「年齢を重ね、それに合った役を演じていきたい」とそれぞれ抱負を語った。

華麗な舞踊で恋物語を演じる花柳太穂奈美さん(左)、勇壮な獅子の舞を披露する花柳太藺理さん(右)