戦前に製造、貴重な資料
大衆娯楽が限られていた昭和初期。映画観賞は市民の楽しみの一つだった。この映写機は、分解して持ち運び可能。地域の公民館や学校などに“出張”し、映像を流した。
映写機は電気機器、精密機器製造などのエルモ社(本社・名古屋市)が(昭和10年)に製造した。8ミリ、9・5ミリ、16ミリと三つのフィルムを取り付けることが可能。内部に光源があり、フィルムの映像をスクリーンに映し出す。
現在は、室蘭市民俗資料館(陣屋町)の入り口で、ガラスケースの中から来館者に映画の歴史を物語っているが、津川基館長によると、「動かすことも可能」という。
津川館長は「この映写機は戦前から残されている貴重な資料。道具の変遷を感じていただければ」と話していた。
(西川悠也)
(Part2・おわり)

(2019年11月9日掲載)