かくれキリシタンの信仰具展示 平戸・生月町博物館 ロザリオや「お水瓶」など

展示されている十字架付きのロザリオ=平戸市、島の館

 長崎県平戸市の生月島北部にある堺目地区のかくれキリシタンの信徒が寄贈した信仰具が、市生月町博物館・島の館で展示されている。1600年以前に作られたとされる金属製の十字架が付いたロザリオなど17点が並ぶ。同館の中園成生学芸員(56)は「貴重な資料を通じ、当時の信仰の在り方を想像してほしい」と話す。
 島にキリスト教が伝来したのは約460年前。かくれキリシタンについて調査する同館が、特に信仰が継承されてきた地区を紹介する企画展は元触、山田、壱部に続き4回目。信仰具は堺目地区の行事を取り仕切った元「おやじ役」で、昨年他界した鳥山泰隆さんの妻が今年9月「大切に守ってほしい」と寄贈した。
 中園学芸員によると、ロザリオは、祈りを唱える際に木製の玉を指ではじきながら文句を数えていた。これまで生月島で確認された玉は10個程度だが展示されたロザリオは56個。同館で理由を調査している。
 このほか、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の無人島、中江ノ島に渡り、岩の裂け目から染み出す「お水」と呼ばれる聖水を採取した「お水瓶」や、禁教時以前に制作され、住民が運勢を占ったとされる木製の「お札」なども展示されている。
 展示は12月28日まで。開館時間は午前9時~午後5時。入館料は大人520円、高校生310円、小中学生210円。

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