丸森の被災者「寒い」暖房壊れ冬物衣類は駄目に 町、企業の提供に期待

©株式会社河北新報社

支援物資の冬物衣類を選ぶ被災者=宮城県丸森町の小斎まちづくりセンター

 台風19号の豪雨被害が甚大だった宮城県丸森町で、一段と厳しくなる寒さに被災者が身を震わせている。浸水で暖房器具が壊れたり、冬物衣類がぬれて駄目になったり。町は企業に対し「セーターやコートなどの防寒着を頂けるとありがたい」と呼び掛けている。

 同町金山地区の増間和子さん(82)は、むき出しの床板に敷いた断熱シートと毛布の上で生活している。自宅が床上浸水し、1階の畳と戸障子は取り外したままだ。

 「朝晩は特に底冷えがきつい。給湯器が壊れ、風呂に入れないので体の芯が冷えたまま」と増間さん。ストーブ3台が全て壊れ、親戚がくれた1台を4畳間に置き、終日過ごす。

 9日の丸森の最低気温は0.6度で今季最低を観測した。浸水被害に遭った被災者宅では畳を捨てたり、床板を剥がしたりしたため、地面からの冷気が直撃する。冬物衣類が泥水で汚れ、全て廃棄した被災者も少なくない。

 町は当初、個人からも支援物資を募った。状態の悪い古着が交ざっていたり、仕分けに手間暇がかかったりしたため、現在は企業からのみ受け付けている。

 届けられた衣類は避難所などで配られる。被災者たちは全国からの支援に感謝しつつ「サイズが合わない」「必要なものが足りない」との本音も漏れる。

 24人が身を寄せる小斎まちづくりセンターで避難生活を送る星政吉さん(73)は「これからますます寒くなるのに長袖の服が足りない。長袖シャツやセーターが欲しい」と切望する。

 町にとって唯一の頼みの綱が企業の好意だ。サイズや種類ごとにまとまった量が届くため、被災者の要望に応えやすい。浸水家屋の清掃に必要なタオルやマスク、手洗い用消毒ジェル、カイロ、手軽に栄養が取れる野菜ジュースは今も需要が多いという。

 保健福祉課は「被災直後に比べ、企業からの物資提供は落ち着きつつあるが、本格的な冬を前に改めて協力をお願いしたい」と善意に期待を寄せる。 (東野滋、天艸央子)