好投手を続々と輩出するJR東日本… 過去10年の社会人別ドラフト指名選手は

西武・十亀剣【写真:荒川祐史】

Honda、Honda鈴鹿と、“ホンダ勢”が2チーム10傑入り

 NPBでは2010年から2019年までのドラフトで1027人が指名されている(うち育成で246人、重複指名2人を含む)。これらの指名選手を元所属チーム(学校、社会人、独立リーグ)別に見ていこう。

 この10年間に社会人から指名された選手は214人。育成枠でも11人が指名されているが、育成はすべてクラブチームから。原則として企業チームから育成枠では指名しないことになっている。

 指名選手数10傑。そのチームの代表的な選手として上位指名、または現在活躍している3人をピックアップした。

1 JR東日本(東京) 17人
十亀剣(西)、吉田一将(オ)、田嶋大樹(オ)

2 JX-ENEOS(神奈川) 12人
三上朋也(De)、石川駿(中)、齋藤俊介(De)

3 Honda(埼玉) 10人
武藤祐太(中)、佐藤達也(オ)、木浪聖也(神)

4大阪ガス(大阪) 9人
松永昂大(ロ)、近本光司(神)、小深田大翔(楽)

5 Honda鈴鹿(三重) 8人
濱矢広大(楽)、守屋功輝(神)、平井克典(西)

5 日本生命(大阪) 8人
小林誠司(巨)、柿田裕太(De)、神里和毅(De)

7 NTT東日本(東京) 7人
小石博孝(西)、西村天裕(日)、井納翔一(De)

7 セガサミー(東京) 7人
浦野博司(日)、宮崎祐樹(オ)、赤堀大智(De)

7 トヨタ自動車(愛知) 7人
藤岡裕大(ロ)、荒波翔(De)、源田壮亮(西)

10 東芝(神奈川) 6人
安達了一(オ)、宮川哲(西)、谷岡竜平(巨)

10 日本製紙石巻(宮城) 6人
比屋根渉(ヤ)、太田裕哉(ヤ)、久古健太郎(ヤ)

大阪ガスからは松永、近本、小深田と3選手が1位で指名されている

 JR東日本の十亀、吉田一、田嶋はいずれも投手。社会人野球の指名選手は即戦力の期待がかかるが、期待に応える実績を上げている。JX-ENEOSは4位指名が最上位。三上、嘉弥真ら救援投手の活躍が目立っている。

 Hondaは3位指名が最上位。今季は新人の木浪が活躍。2012年4位で広島に入った下水流昂は楽天に移籍した。Hondaは埼玉県狭山市の本社だけでなく、三重県鈴鹿市、熊本県大津町にも硬式野球部がある。Honda鈴鹿からは5位タイの8人、Honda熊本からも3人ドラフトで指名されている。

 大阪ガス出身では今季、近本が大活躍した。木浪と近本は同い年。社会人時代は俊足巧打で鳴らすライバルだった。

 日本生命からは小林、神里、井上晴哉(ロッテ)ら野手の活躍が目立っている。

 10傑には入っていないが、東京ガスはここ10年で5人の指名ながら、榎田大樹(阪神)、美馬学(楽天)、石川歩(ロッテ)、山岡泰輔(オリックス)と一線級の投手が4人も出ている。

 社会人野球の企業チームは減少傾向にある。これを反映してか、指名選手も少なくなっている。今ドラフトは10年で最少の11人しか指名がなかった。今後の動向が気になるところだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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