Rソックス・ベッツ残留の可能性も ブルームの手腕に期待

メジャーリーグのなかでも有数の資金力を誇るレッドソックスだが、新しくチーフ・ベースボール・オフィサーに就任したチェイム・ブルームは、就任早々に難しい状況と向き合っている。オーナーのジョン・ヘンリーが来季の年俸総額をぜいたく税の対象とならない2億800万ドル以下に抑えたい意向を示しているからだ。それにより、レッドソックスはスター外野手、ムーキー・ベッツのトレード放出が不可避であると見られている。

昨季アメリカン・リーグのMVPに輝いたベッツは、来季終了後にフリーエージェントとなる。来季は年俸調停期間の最終年となり、今季の年俸2000万ドルからのさらなる昇給が見込まれているため、デービッド・プライス、クリス・セール、J.D.マルティネス、ザンダー・ボガーツ、ネイサン・イバルディ、ダスティン・ペドロイア、ジャッキー・ブラッドリーJr.、エドゥアルド・ロドリゲスの8人で1億5000万ドル以上を要するレッドソックスが、年俸総額削減の目標を達成しつつ、ベッツを保有し続けるのは難しいと見られている。

しかし、ジ・アスレチックのジェン・マカフリーは、ブルームであれば、この難しい状況にも対処できると指摘する。ブルームは今季まで在籍していたレイズで、過小評価されている選手や格安の年俸ながら才能を秘めた選手を次々に発掘してチームに加え、資金力に恵まれないレイズをヤンキースやレッドソックスと対等に優勝争いを繰り広げる強豪へと押し上げた実績があるからだ。

今季のレイズは、開幕時点でメジャー最低の年俸総額だったものの、96勝をマークしてワイルドカードを獲得した。ブルームとエリック・ニアンダーGMは、昨季のうちにトミー・ファム、オースティン・メドウズ、タイラー・グラスナウ、崔志萬(チェ・ジマン)をチームに加え、今季はエミリオ・パガーン、ニック・アンダーソン、ヤンディ・ディアス、トラビス・ダーノウ、ギジェルモ・エレディア、マイク・ズニーノ、ヘスス・アギラーらをトレードで獲得して戦力を強化。こうした実績のあるブルームであれば、ベッツをキープしつつ戦力の再構築が可能であるとマカフリーはブルームの手腕を高く評価する。

資金力がメジャー最低クラスのチームからメジャー最高クラスのチームに移ったブルームは、高く評価されているその手腕をどのように発揮するのか。大方の予想を裏切り、ベッツは来季もレッドソックスでプレイすることになるかもしれない。

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