W杯総合V挑戦 長崎生まれのプロスピードスキーヤー 八並朋之さん

©株式会社長崎新聞社

5シーズン目の挑戦で、W杯総合優勝を目指す八並さん=長崎新聞社

 プロスピードスキーヤーの八並朋之さん(42)=長崎市出身、福島県在住=が来年1月からヨーロッパ5カ国であるワールドカップ(W杯)に日本代表として出場する。スピードを追求し、5シーズン目の挑戦。フォームの改善や肉体改造をして初の総合優勝を目指している。

 スピードスキーは、急勾配の斜面で助走をつけ、続く100メートルの計測区間の平均時速を競う。傾斜はコースによって異なるが、平均40度。八並さんの最高時速は195キロで、100メートルの通過タイムは1.85秒だ。
 八並さんとスキーとの出合いは県立長崎北陽台高時代。修学旅行先の福島県で初めてスキーをし「へっぴり腰で滑ったけれど、これだ、と思った」。スキーをするため福島県の大学に進学。大学院卒業まで熱中したが、就職後は競技と距離を置いていた。
 再びスキーに打ち込む転機となったのは2011年の東日本大震災。本県に身を寄せていたある日、スポーツ店での偶然の出会いをきっかけに、12年の国体にアルペンの本県代表として出場する権利を得た。その数年後、国体選手だった八並さんは、競技のプラスになればとスピードスキーのキャンプに参加。「風が気持ちよく、空気と遊んでいる感覚」が楽しくて、15~16年シーズンにスピードスキーに挑戦し、W杯に連続出場している。最高順位は17~18年シーズンの試合12位。
 自然の中でのスピード勝負は、筋肉の付き方やわずかな体重の差で空気抵抗が変わり速さに影響する。八並さんはW杯に向け、体重を増やし、専門家の助言を受けて空気抵抗が少ないフォームに改善。努力を積み重ね、総合優勝を狙える自信をつけている。
 八並さんはW杯を通じて伝えたいことがある。「置かれた環境に関係なく道を切り開くことができる」。雪がほとんど降らない長崎で生まれ育っても優勝して、成績で証明したいと思っている。