しみけん - 素っ裸なのに謎だらけなアダルト業界の顔!

3つの条件

──しみけんさんがAV男優になったきっかけにマツコデラックスさんが関係しているとか?

しみけん:AV男優になりたくて、最初に入ったのがゲイの業界だったんですよ。

──それは…たまたまですか? それともどっちもイケたからと?

しみけん:いや、完全にストレートなんですけど、『AV男優っていうのはどっちもイケないといけないものだ』と思い込んでいたんですよ。だから、「今日は男性が相手だったけど、次は女性かもしれない!」と思いながらずっと続けていたんですね。そうしたら、当時はゲイ雑誌の編集をされていたマツコデラックスさんから「違うよ!」と教えてもらって、女性相手のAV業界に進む事になりました。

──AV男優のみなさん同士は仲が良いんですか? しみけんさんにはお弟子さんもいらっしゃるとか。

しみけん:僕はあんまり付き合いがない方ですね。今度のイベントでも共演する森林さんとは仲もいいし付き合いはそれこそ20年とかですが、一緒に食事に行ったりは数えるほどしかないです。弟子はいま、一徹、イセドン内村、コンピューター園田、で新しく四人目に、出てこい中平くん2号が入りました。

──しみけんさんの弟子になるにはどうすればいいんですか?

しみけん:単純に、現場で一緒になって話していくうちに僕が興味を持った人(笑)。仲良くなったのが結果として弟子になってる。挨拶は先手必勝だと思っているんで、現場で会った男優にはとりあえず話しかけるんですけど、その中でどういう人生を歩んできたのか、どうして男優になったのかをを聞いているうちにそれが面白かった人とはライン交換して仲良くなっていくという感じですね。出てこい中平くん2号は、3年間、吉本さんでピン芸人をやっていて男優になったんです。だから女優さんとの会話もすごく上手い。卑屈なんだけど(笑)。

──男優さんの仕事ではやはりコミュニケーション能力は重要ですよね。

しみけん:そうですね…。上にあがるには、コミュニケーション能力は凄く大事です。男優に必要な条件は、まじめ、謙虚、好奇心。この三つがあれば男優としてとりあえずワンステップを踏めます。一番ダメなのが「自分、性欲強いっす!」「1日に〇〇発ヤったことあります!」って言って入ってくるタイプ。全然ホスピタリティの精神がないんですよね。それより、どれだけ現場でコミュニケーションをとって、作品に参加できるかが重要なんです。

──継続できるか、次に呼ばれるかどうかはやっぱりそういう部分ですよね。

しみけん:そうです。現場の人間関係ですね。

この仕事!

──しみけんさんは、大学に入って1日で辞めたって本当なんですか?

しみけん:正確には、1日も行かずに辞めました(笑)。1年浪人してる間に入ったAV男優という世界の魅力に取り込まれちゃったんです。他のことに全く興味が無くなってしまって。

──よくそれで合格しましたね!(※法政大学)

しみけん:運が良かったですね。でも25歳までは「AV男優は面白いけどずっと続けるものではないな」と思ってました。遊びだと思ってやっていた部分があったんですよね。でも性って深堀りすると面白いなと思い始めて。続けていって自信が出てきたこともあるんですけど。AV以上に興味を持てるものがなったというのもあります。他の仕事をしている自分が想像出来なかった。

──監督業に興味は?

しみけん:細々とですがやってはいます。でもやっぱり僕は監督としてより男優として。プレイヤーの方がイキイキとやれてますね。僕は死ぬまで男優です。

時代の変化

しみけん:今日韓国から帰ってきたんでこれから子供の面倒をみるんですよ。二日も家をあけちゃったんで。

──(パートナーの)はあちゅうさんに怒られますか(笑)?

しみけん:いや〜全然怒らないんですよ! そういうときは彼女、凄く悲しむんです。怒ってもらったらこっちもいろいろ言えるんだけど…。悲しい顔を見ると、「ごめんね」ってなっちゃう(笑顔)。

──漫画(#旦那観察日記)の通りじゃないですか! ああいう、夫婦の関係をSNSで発信していくという赤裸々さは本当に今っぽいですよね。

しみけん:何が起こるかわからない時代になりましたよね。スマートフォンが出てから世界は大きく変わったと思うんです。ダボス会議によると、65%。これ何の数字かっていうと、今生まれた赤ちゃんが、将来、現在まだない職業につく確率なんです。僕が生まれた1979年、AV男優という仕事はなかった。Youtuberという仕事も当然、なかった。だから「大きくなったら何になりたい?」っていう質問はもうナンセンスだと感じています。こんなに選択肢があるのにまだ会社員? って。無限ですよ。例えば、ゆうこす(菅本裕子)ちゃんは【モテクリエイター】でしょ? 僕も【男女の仲研究家】って名乗ってるんです。いつか『ホンマでっか!?TV』に呼ばれないかなって(笑)。肩書きっていうのは言ったもん勝ちだと思ってます。最近、ダッチワイフがメチャクチャ精巧じゃないですか。

──そうですね、ラブドールと言われるものだったり。

しみけん:あれ身体のパーツのだけものもあって、それぞれ本当に精巧に出来てますよね。集めたら一人分になるんじゃないかっていうぐらい。女の子なのに手だけ加藤鷹さんだったりしてね(笑)。で、それの処分に困った人が河川敷に捨てたのを、バラバラ死体だと間違われて通報された事件があったんです。そこで、部分オナホールやラブドールを処分する専門の業者が出来たんです。

──へー! それは新しい仕事ですね! 専門業者だと、確かに頼みやすいし安心ですね。新しい仕事はアイデアですよね。

多ジャンルへの興味

──本当にフットワーク軽くいろんな世界に飛び込みますよね。はあちゅうさんとの出会いのきっかけとしても有名なクイズ王、ボディビル、俳優、最近はプロレスにも出られて。

しみけん:プロレス、本当に凄いですよ!ほんの少し出ただけなんですが、左肩を負傷しました。プロレスラーにはリスペクトしかないです。俳優としてでたのは『マグマイザー』かな。あれどうなったんだろう?

──あとは今回のイベントにもつながる、レストランプロデュース。うんこ味のカレーを提供した『カレーショップ志み津』。

しみけん:あれはいい経験になりましたねー。飲食店の方がどんなに大変か!…家賃、人件費を払うためにこのうんこカレーを何杯売らなければならないかで頭がいっぱいになってました。飲食店は回転率が命なんですが、うんこカレーはマズいから、店には8席ぐらいしかないのに客がぜんぜん帰らない(笑)。みんな「食ってやろう!」って気持ちで来てるから1時間ぐらい粘るんです、苦しそうに(笑)。それに新しく入ってきた客の反応も見たいから食べた後も残っちゃう。あれは参りましたね。

──「早くそのうんこカレー食って出てけよ!」とは言えないですからねぇ…。

しみけん:携帯ジ〇マーを店に置いてましたからね。近くの携帯電話の電波が○らなくなるやつ。そうするとみんな早くSNSに書きたいから回転率が上がったんです。『ラジオライフ』で得た知識が役に立った!

──考えましたね! というかしみけんさん、ラジオライフ読んでるんですね(笑)。

ボッキ飯-1グランプリ

しみけん:普段はブロッコリー、アボカド、青魚、くるみを流し込むような食事ですからね。美味しい食事でボッキできれば一番良いじゃないですか。僕からはうんこ味のカレーに協力してくれた料理研究家の竹下ななさん、森林さんからは美しすぎる女医の高橋怜奈さんにそれぞれ声をかけて、司会には『大きなイチモツ』ネタでキングオブコント優勝のどぶろっくさんが出てくれることになりました。

──食事で性欲を高める、というのは、食がそもそも生物的な根源だし、それを『美味しく』、というのはとっても文化的、人間的ですよね。

しみけん:…「食」という字は、「人」を「良」くする、と書くんです。食べるものによって人は良くも悪くもなるんです。

──おぉー!

しみけん:「味方」という字は「味」の「方」と書くじゃないですか。みんなでごはんを食べて、「味」を共有してこそ仲間だろっていうところもあります。

──同じ釜のメシ、みたいな。ボッキ飯に絶対必要な要素とは何でしょう?

しみけん:一番重要なのは、男性ホルモン。それを作るためには原料と行動が必要なんです。いくら運動しても、その原料がなければダメなんですよね。それが何かっていうのはイベントでお話したいと思います!LOFT9 Shibuyaはラブホ街にありますからね(笑)。

──ロフト系列はラブホ街にありがちなんですよね(笑)。

© 有限会社ルーフトップ