東日本大震災から8年8か月

By 大脇 桂

11月11日、東日本大震災が発生してから8年8か月

◆人的被害・避難者数

・2011年3月11日、国内最大規模となるM9.0の地震が発生し、大津波により東北地方の太平洋沿岸に大きな被害をもたらした。警察庁によると、2019年9月10日現在、死者1万5898人、行方不明者2531人、死者不明を合わせて1万8429人(前回2019年6月10日現在、死者1万5897人、行方不明者2532人)。

・復興庁によると、2019年3月31日現在、震災関連死は1都9県で3723人(前回2018年9月30日3701人)。震災関連死・直接死・行方不明者と合わせると合計2万2152人。

・復興庁によると、2019年10月9日現在、避難者数は4万9304人。県外避難は3万6232人(福島県3万1217人、宮城県4031人、岩手県984人)。

◆裁判・賠償

・10月10日、震災の津波で犠牲になった大川小学校の児童の遺族が石巻市と宮城県に損害賠償を求めていた裁判で、最高裁は石巻市と宮城県の上告を棄却。14億円あまりの賠償を命じる仙台高裁の判決が確定した。

・10月30日、東京電力は原発事故による損害賠償請求について、時効を理由に請求を拒否しない考えを明らかにした。現在は、原賠時効特例法及び原賠ADR時効中断特例法で3年の時効が10年に延長されている。

◆事件・事故・不祥事

・10月25日、岩手県大槌町の副町長が復興支援で寄付された公用車であおり運転をしたと訴えを受けていた問題で、副町長は道路交通法違反(減光義務)で反則金6000円を払ったと町議会に報告した。町はあおり運転は確認できなかったと発表した。

・10月28日、会津若松署は、震災の助成金約4600万円をだまし取ったとして、会津若松市の夫婦を詐欺の疑いで逮捕した。

・10月28日、福島県大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設で、30代の男性作業員がベルトコンベヤーに巻き込まれる死亡事故が発生した。

・11月1日、復興庁は、福島県葛尾村での復興関連の委託事業で、伐採作業中の70代の男性作業員が樹木で頭をうち、亡くなったと発表した。

◆除染廃棄物

・台風19号の影響で、福島県内の複数の市町村の仮置き場から除染廃棄物を詰めたフレコンバッグが河川に流出した。田村市は30袋が流出。飯舘村は1袋が流出。川内村は44袋が流出。二本松市は15袋が流出。後に回収された袋の中には中身が流失したものもあった。10月28日、加藤環境政務官は、フレコンバックの流出現場を視察し、「すみやかに再発防止策を出したい」と述べた。

◆食品

・農林水産省は、マカオが原発事故後、国内の9都県に対して行っていた野菜や果物などの食品輸入規制を緩和したと発表した。10月24日付けで宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、長野県の規制が緩和された。福島県の輸入は規制されたままになっている。

◆原発

・10月15日午前、東京電力は、メルトダウンを起こした福島第一原発1号機の原子炉への注水を停止する試験を開始した。停止中の温度変化を確認し、結果を公表する。

◆その他

・10月24日、津波で行方不明になった20代女性の遺骨が遺族に返された。8月に宮城県山元町の沖合で見つかり、DNA鑑定で確認された。

◆東日本大震災から8年7か月
https://this.kiji.is/555042838070887521

◆広島大学|地球資源論研究室|東日本大震災-被災地-
http://earthresources.sakura.ne.jp/er/EV_TKJ(4).html

◆警察庁|警察措置と被害状況[2019年9月10日]
http://www.npa.go.jp/news/other/earthquake2011/index.html

◆復興庁|震災関連死の死者数等について(平成31年3月31日現在)[令和元年6月28日公表]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-6/20140526131634.html

◆復興庁|全国の避難者等の数(所在都道府県別・所在施設別の数)[令和元年10月29日]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-1/hinanshasuu.html

※情報は発信時点のもので、最新の状況と異なる場合があります。

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