「戦い方を変えてまで挑んだ」シティを上回るリヴァプールの強さとは?

プレミアリーグ第12節リヴァプールvsマンチェスターシティの一戦は3-1でホームのリヴァプールが勝利した。

攻撃より守備に重きを

 マンチェスターシティは17-18シーズンに3度リヴァプールに敗戦している(リーグ戦1回、CL戦2回)。シティのジョゼップ・グアルディオラ監督はこの原因を「カウンターを喰らっているから」と考え、カウンター対策として、守備時のスペースをつかれないようにした。最大の武器である「ボール保持」を捨ててまで、だ。

 その対策はハマり、昨シーズン以降両者の対戦でシティは1勝2分(コミュニティシールドを含む)。昨シーズンリーグ得点王のモハメド・サラーやサディオ・マネは得点できなかったのだ。

 今回の一戦プレミア王者は負傷のエデルソンに代わりクラウディオ・ブラーボがGK、アンカーが本職のフェルナンジーニョがCB、左SBにアンヘリーニョを起用した。やはり、守備に重きを置いてるのがうかがえる。

開始早々に喰らってしまったカウンター

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6分、トレント・アレクサンダー=アーノルドのハンドが取られてもおかしくない状況でシティの選手のプレス開始が遅れてしまいカウンターを許した。その後クリアミスを拾ったファビーニョのミドルが決まった。

 「即プレスをかけカウンターが防げれば」とシティ側は悔やんだのは間違いない。

 また、リヴァプールはこの試合も中盤にいつもの3人(ジョルジニオ・ワイナルドゥム、ジョーダン・ヘンダーソン、ファビーニョ)を起用し、高確率ボールを奪取し、前線に繋いでは人一倍汗をかき、守備にも攻撃にも多大な働きを見せた。このタスクをこなせるのはこのチームに所属する中盤の選手以外にはそう見当たらない。

 例え攻め込まれても最終ラインにはCBフィルジル・ファンダイクとGKアリソン・ベッカーがいる。この安心感は間違いなく大きい。2人が加入するまで「ディフェンスが穴」と常に言われたが、もうその声は全く聞かれない。

サイドバックからサイドバックへ

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CL王者の攻撃はサイドバックが牽引していると言っても過言ではない。昨シーズン、リーグ戦でアンディ・ロバートソンが11アシスト、アレクサンダー=アーノルドが12アシストを記録したことからもよく分かる。

 サイドバックからサイドバックへのサイドチェンジを多用するが、相手がプレスをかけようが、自陣に引こうがこの2人にしかできない高精度キックは止めるのが極めて困難だ。13分、リヴァプールの2点目もアレクサンダー=アーノルドのサイドチェンジからロバートソンのクロスまで完璧であり、サラーは合わせるだけだった。

意地を見せるシティ

 51分マネの得点で3-0となり、勝利の行方は大方リヴァプールに決した。

 シティはCKやFKを数多く獲得していた。FKで2度フリーで合わせるとなど、得点には至らなかったが、狙いを感じた。後半疲れが出始めたリヴァプールをラヒーム・スターリングとアンヘリーニョで左サイドから崩しにかかったが、得点はベルナルド・シウバが挙げた1点に抑えられた。

リヴァプールはホーム46戦無敗

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 この試合を3-1で制したリヴァプールはホームのアンフィールドで46試合無敗となった。このスタジアムでCL王者を倒すことはおろか、勝ち点を奪う(引き分け)ことすら困難なミッションである。

この結果、両者の勝ち点差は9に広がった。リーグ戦は26試合残っているとは言え、リヴァプールの勢いが衰える気配はまるで無い。

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